(「ビットコインの衝撃(2) マウントゴックスの真の罪とは? 高値1242ドルは自作自演?」からつづく)
マウント・ゴックスの経営破綻後もビットコインの取引高は着々と増えている。将来的な値上がりを見込んだ長期保有だけではなく、デイトレードの対象としてビットコインを取引する人が増えているのだ。
FXや株があるのに、なぜ、わざわざビットコインをトレードするのか。そこには3つの理由がありそうだ。
■1日に10%動くことも結構ある。値幅の大きさが魅力
ひとつは値動きの大きさだ。米ドル/円が1日で10%=約10円も動けばニュース速報が流れるレベルだが、ビットコインではその程度の値動きは月に数日はある。1米ドル=122円から116円に突っ込んだ8月24日(月)、米ドル/円の上下の値幅は4.8%だったが、翌日のビットコインは14%の値幅があった。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

1日の平均値幅を計算してみると、値動きの大きさでデイトレーダーに人気の英ポンド/円でさえも、ビットコインの値幅の前にはかすんで見えるほとだ。

こうした値動きの大きさに加え、FXのようにレバレッジをかけた取引もできる。これが短期トレードの対象として、ビットコインを選択する人が増えている理由のひとつだろう。
■ビットコインなら土日もデイトレできる
もうひとつ、ビットコインならではの魅力として、「土日も取引が可能」という点も見逃せない。ビットコインの取引所はほとんどが24時間365日取引可能だ。FXであれば取引できない週末もビットコイン市場は動いているため、「週末デイトレーダー」といった選択も可能になる。
「土日は値幅が小さくなるのでは?」と思う人がいるかもしれない。筆者もそう思って計算してみたところ、土日は5.5%、ウィークデーは7%と、それほど変わらない値幅があった。
■選挙や首脳会合など土日のイベントは多い
土日も取引できることでFXでは得られない大きなメリットもある。
先日も土曜日に閉幕したG20(20カ国地域財務相・中央銀行総裁会議)が月曜日の相場に影響を及ぼしたが、こうした土日にあった出来事をビットコインは時差なく価格に織り込んでいく。
その典型が、ギリシャがデフォルト危機に揺れていた2015年7月の動きだ。ギリシャの国民投票があった7月5日は日曜日だった。国民が選んだのは、緊縮案に対する「No」。これに為替市場がユーロ売りで反応したのは月曜日だったが、ビットコイン市場は日曜日のうちに反応し、ビットコイン価格は上昇した。
(出所:ヒロセ通商)
(出所:ビットバンクトレード)
少し話はそれるが、ビットコインはその有限性や…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)