先週の金曜日に日銀がマイナス金利を行って、それで円は大きく独歩安に傾いた。ドル円は121円台まで戻してきて、そのまま高値圏で張り付いている。そのほかのクロス円もずいぶんと上げてきている。この後のさらなる上昇が望めるのかどうかを試すのが、週明けのマーケットであった。
アジア時間はややリスクテークの勢いがおさまって、どちらかというと軽い反動も見られた。ドル円も高値追いをやめて、ドルの利食い売りが優勢。中国株が大きく下げたことと、原油相場が再び軟化を始めたことで、海外市場ではマーケットはリスクオフに流された。
ドル円も120円台ミドルまで押し込まれたが、ニューヨーククローズに至るまでには値を戻してきた。私は、昨日は日銀の効果を見極めたいと思っていたので、相場に手を出さなかった。
今日からアメリカの大統領選の予備選がスタートである。毎回の恒例であるが、アイオワ州から始まる。すでに結果が速報されてきていて、共和党はクルーズ氏、2位はトランプ氏。民主党のヒラリーは僅差での1位。
いずれにしても、大統領選挙はマーケットを動かす一因にはなりうる。そもそも大統領選の年はオリンピックもあるのだが、その年は株価が上昇するといわれている。候補者が景気に対してフェイバーなことしか言わないからというのがその理由だろう。
しかし果たして株価にとって良いことなのかというと、過去の事例を振り返ってみればわかる。特に大統領が入れ替わった年である2008年のオバマ当選のとき、2000年のブッシュ当選のときはどうだっただろう。
2008年のときはモロに金融危機の真っ最中だった。リーマンショックもさることながら、自動車業界や保険業界まで政府の援助を仰いでいる始末だった。当の大統領はレームダックになっているので、抜本的な手を打てない。とにかく政治的にもひどい年だった。むろん株価は年足では長い陰線だった。
一方で2000年はどう始まったか。ITバブル崩壊で、年初からFOMCでもないのに電話会合だけで緊急利下げで始まったのであった。ナスダック指数は半分以下に急落し、その影響はアメリカ経済に及ばざるをえなかった。毎日、S&P先物やナスダック先物がサーキットブレークに引っかかっていた。
2004年と2012年の選挙のときは再選となるので、信任投票の色が強かった。だから無風で終わったとも考えられる。何か大きく変化させるようなことがなければ、マーケットは自然とリスクテークに傾くというわけだ。
今年は大統領の変わる選挙の年である。ジンクス的には激しいショックにさらされると考えたほうが無難なようだ。今は考えもつかないかもしれないが、ドル円など100円割れなんて局面も目にするかもしれない。泡沫候補とのゲバ評だったトランプ氏の支持率は依然として高いし、彼は日本の通貨安政策を非難してもいる。
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