■米ドル/円はスピード調整、105~106円到達はおあずけ
米ドル/円は下げ一服、またリバウンドしている。前回のコラムの指摘どおり、105~106円のメインターゲット達成はいったん後ずれとなり、目先はスピード調整の段階にあることが明らかだ。
【参考記事】
●ドル/円下落はアベクロ失敗を宣言するもの。2016年中に100円の大台割れもあり得る!(2016年4月8日、陳満咲杜)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
先週末(4月8日)の時点で、こういった結論を得られたのは、ほかならぬ、多くの米ドルロング派が先週(4月4日~)後半転向していたことにヒントを得られた側面が大きかった。
経験則では、メイントレンドを間違った方が焦って転向し始めるのは、往々にしてトレンドの進行がもっとも激しい時と重なる。だから、トレンド自体は維持されるとしても、そのような時はスピード調整のタイミングが近付いているケースが多かった。
先週(4月4日~)後半に入り、米ドルの押し目買いを勧めた方や、ヘッジファンドの円高戦略転向といった「内部情報」をほのめかした方が、さすがに堪えられず転向したことで、米ドル安・円高一服のサインが点灯したと言えるなら、よく揶揄される“風見鶏”も、たやすくなれるものではないと思う。
なぜなら、風見をしようにも、そのタイミングを間違えれば、ただの鶏になるリスクが高いからだ。
■米ドル/円とドルインデックスの連動性が高まっている
ところで、米ドル/円とドルインデックスは、その連動性が昨年(2015年)12月以降、高まっていた。したがって、米ドル/円の下げ一服を、ドルインデックスの下げ一服とリンクした視点で見ると、よりおわかりいただけるかと思う。
(出所:CQG)
2015年12月高値から、ドルインデックスは大型「下落ウェッジ」型というフォーメーションを形成して下落してきた。ドルインデックスの安値は切り下がってきたものの、日足におけるRSIの安値水準はほぼ同等だったので、足元の反騰は、この「下落ウェッジ型」がすでに完成し、また、上放れしたことによるもの、という可能性が強まっている。
(出所:CQG)
下落ウェッジととらえる場合、2015年12月安値(a)から2016年2月安値(b)を連結するサポートラインが、この前の安値(4月11日、12日安値c)と合致していたことがもっとも大きなヒントであった。
その上、2015年10月安値93.96をいったん割り込んだものの、急落せず反騰してきたことに照らして考えると、目先、米ドル安トレンドの一服がより鮮明化されてきたと言える。
(出所:CQG)
■「米利上げ観測後退」の後退がドルインデックス上昇の要因
ドルインデックスの上昇は、「米利上げ観測後退」の後退が大きな要因であると思う。
イエレンFRB議長のハト派スタンスと違い、地区連銀総裁たちは繰り返しタカ派のスタンスを表明。4月利上げの可能性はほぼないものの、これから利上げを加速してくるのでは…といった市場関係者の疑心暗鬼を誘った。
もっとも、イエレンFRB議長が利上げの延期理由に…
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