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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

スイスフラン/円の調整に警戒! 米雇用統計ショックとス
イス39%関税ショックが同日発生。株が崩れても避難通貨
の米ドルとスイスフランが買えず、値を上げたのは日本円

2025年08月04日(月)15:19公開 (2025年08月04日(月)15:19更新)
西原宏一&叶内文子

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米雇用統計ショックで米ドル/円が4円弱も急落! スイスへの39%関税ショックはスイスフラン売りに

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内) みなさん、こんにちは。

トレーダー西原 イベント満載の1週間は、大荒れの米雇用統計とスイスの関税ショックで終了しましたね。

 それでは叶内さん、まず先週(7月28日~)の株の振り返りからいきましょうか?

MC叶内 はい、日米ともに株は下落しています。

 日経平均は656円(1.6%)安の4万0799円と3週ぶりに下落しました。日米金融政策発表控えて様子見で始まりましたが、決算発表やアナリストの投資判断で半導体主力株が崩れ、市場心理が悪化しました。

 一方、米マイクロソフト・メタ・コーニングが好決算。AI投資は続くとの見方で電線株などは買われました。値上がり銘柄数はけっこう多めで、TOPIXは0.11%安にとどまっています。

 米ドル高・円安方向への動きは日本株を支援しましたが、政治不透明感は引き続き重しでした。そして、金曜日(8月1日)の米国で雇用統計が発表になり、先物が大きく下げています。

 雇用統計の反応を含んだ米国株は、NYダウが5日続落し43588ドル、先週末比2.92%安で2週ぶりの下落。S&P500は2.36%安、ナスダック総合指数は2.17%安で3週ぶりの下落です。

 週初は、S&P500とナスダック総合指数が最高値を更新していました。週半ばは雇用関連の指標も堅調、GDPが年率3%と強い数字でしたが、金曜日には雇用統計に加え、ISM製造業景況感指数が下振れし景気への懸念が強まりました。9月利下げ観測も一気に8割超に上昇し、金利が大幅低下しています。

 為替市場はいかがでしたか。

トレーダー西原 為替市場は金曜日、2つのショックで大きく動きました。

 スイスはすでに、米国に数十億ドルの投資を約束していたと報道されていました。

 ところが、スイスの建国記念日だった8月1日(金)に、米国がスイスからの輸入品の関税を39%に引き上げると発表し、祝賀ムードを台無しにしています。

 このあと、まだ交渉期間が残されているのですが、スイスのケラー・ズッター大統領は、「米国にさらなる譲歩を行うことは非常に困難である」とコメントしています。

 建国記念日に、米国がスイスに対して39%という予想外の関税を課すと発表したことを受け、スイスでは責任のなすりつけ合いが激化しているようです。


カリン・ケラー・ズッター大統領は、トランプ政権と締結できたと信じていた貿易協定について、重大な誤算があったと非難されています。また、米国の大統領の怒りを買った同国の巨大な製薬業界も、他の批評家たちから非難の的となっています。
「ナイフが飛び交っている」と、元スイス外交官は述べています。スイスのメディアはケラー・ズッター氏を厳しく批判し、SonntagsZeitung(スイスで発行されている週刊新聞 )は交渉の失敗を「彼女の最大の失態」と表現、 Blick (タブロイド紙)は、1515年にフランスとの戦いに敗れて以来、スイスにとって最大の敗北だとまで述べました。
(出所:FT(フィナンシャルタイムズ))



この環境下だと、スイスフラン売りとなります。

 ただ、スイス建国記念日と同日の8月1日(金)、米雇用統計が発表され、極めて深刻な悪化でした。

 問題は、5月分が+14.4万人から+1.9万人へ、6月分が+14.7万人から+1.4万人へそれぞれ切り下げられ、過去3か月間では平均して月+3.5万人しか増えていなかったという結果です。

 これにより、米10年債利回りが4.20%まで低下。金利先物市場では9月17日(水)の利下げが86%まで織り込まれてきました。

 これにより、米ドル円は151.00円手前から一時147.00円前半まで4円弱も急落しています。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 それでは、展望に入る前に今週(8月4日~)のスケジュールと株の展望をお願いします。

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スイスフラン/円週足はエリオット波動で5波動を完了し、調整を示唆! 避難通貨の米ドルもスイスフランも買えない状況

MC叶内 今週は国内決算発表がピークです。8月8日(金)には800社超もあります。

 8月7日(木)のトヨタが注目です。関税の影響、値上げについての考え方などを確認したいです。米国の注目決算は半導体AMDで8月5日(火)です。マクロの大イベントを通過し、個別中心の展開になりそうです。

 とは言え、雇用統計後の反応には要注意です。局面は違いますが、ちょうど1年前も日銀会合(日銀金融政策決定会合)・雇用統計の後に急落したことは記憶に新しいでしょう。

 日経平均はリード役の半導体の一角が大きく下げたことでやや不安感があります。8月8日(金)がミニSQ(特別清算指数)です。

 経済指標では、8月6日(水)の6月毎月勤労統計、8月8日(金)の7月景気ウォッチャー調査に注目です。8月7日(木)に6月景気動向指数、8月8日(金)に6月家計調査も出ます。

 8月5日(火)に6月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨、8月8日(金)に7月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が発表されます。10年債、30年債の入札があります。

 海外や米国では8月4日(月)の日米6月製造業受注、8月5日(火)の米国6月貿易収支、8月7日(木)のISM非製造業景気指数、NY連銀インフレ期待が重視されそうです。

 中国の7月貿易収支が8月7日(木)、中国7月のCPI(消費者物価指数)、PPI(卸売物価指数)が8月9日(土)に発表されます。こちらも注意しておきたいです。

 為替市場はいかがですか。

トレーダー西原 まず、スイスは39%の関税ショックにより、9月のSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])会合で、マイナス領域への利下げの可能性が出てきたと考えています。

 現状の先物市場では9月の利下げは織り込まれていないため、要警戒でしょう。これはスイス売り要因です。

 米雇用統計が出る前、僕は米ドルに対してもスイスフランが売られると考えていたのですが、米雇用統計の悪化で米ドルも反落。

株が崩れている中、避難通貨の米ドルもスイスフランも買えない状況で、値を上げてきたのが日本円です。その結果、スイスフラン/円の下値余地が拡大しています。

週足を見てみると、エリオット波動で5波動を完了し、調整に入る可能性を示唆しています。

スイスフラン/円 週足
スイスフラン/円 週足チャート

(出所:TradingView

 今年(2025年)もずっと最強通貨であり続け、史上最高値を更新してきたスイスフラン/円ですが、いったん調整に入る可能性がでてきました。スイスフラン/円の調整に警戒です。

トレーダー西原MC叶内 それでは、今週も株、為替のトレーディングを楽しんでいきましょう。


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