■円高は既定路線、米ドル/円は107円台に一時突入!
桜が散り始め、米ドル/円も一時、107円台に突入してきた。
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円高は既定路線なので、今さら驚き、また後解釈を繰り返す者の多くは、市場の本質をわかっていないと言わざるを得ない。円高が既定路線とわかっていたとしても、円高のスピードが速い云々と言うのも的外れである。
こういった見方の多くは、潜在的な先入感、すなわち、「日本政府は米ドル/円の110円の大台割れを阻止する用意があり、また、マーケットはそれを危惧するので、110円以下のレベルに米ドル/円を推し進められないのでは」といった、根拠の薄い憶測に基づいていたからだ。
つまるところ、マーケット自体の内部構造に専念できれば、巷の俗論やいわゆる市場関係者たちの憶測に流されずにすむ。その上、最近の米ドル/円の内部構造や値動きは、どちらかというとわかりやすいものだと思われ、トレンドフォローをやっていけば、利益を得やすい時期だと考えられる。
■円高を予測できた市場の内部構造の見方とは?
市場の内部構造を測るには、別に複雑なアプローチをする必要はなく、ごく基本的な見方さえ身につければ、本来、誰でも結論を出せるはずだ。以下は筆者が月曜日朝(4月4日)に書いたレポートだが、今週(4月4日~)の値動きをシンプルな見方でとらえられたのでは…と思う。
同レポートをもって説明したいことは以下の2点に集約される。
1.円高の構造がしっかりしており、また、円高トレンドにおける途中のスピード調整は長かったものの、モメンタムが弱かったので、円高トレンドが強く推進される公算が大きかった。
2.110円の節目における政府の防衛はあり得ず、この節目を割れれば、トレンドが一段と強まる予想が得られやすかったこと。
(出所:CQG)
アナリシス:先週反落、2月安値から形成された円高トレンドにおけるスピード調整、すでに終盤に入っていることを示唆。米イエレン議長のハト派発言が材料視され、米雇用統計が好調でも利上げ後ずれの観測が強まり、先週ドル売りの基調を強めた。従って、円高トレンドへの復帰、何等かの材料なしでは更に後ずれの可能性が低下しており、今週も続落の公算が大きいでしょう。もっとも、昨年8月安値115.90割れをもって日足における「ヘッド&ショルダーズ」といったフォーメーション成立をもたらし、同ターゲットの105/106円台へ進む、といったメイントレンドは不変、従って、先々週安値の111.20割れがあれば、保ち合い状況の打破が見られ、一段と下値余地を拓きやすいでしょう。更に、中期スパンにおいてのメインレジスタンスゾーン、115関門~115円後半に位置、2月安値を起点とした保ち合い、同メイン抵抗をタッチできずにいったことに鑑み、スピード調整とはいえ、実に弱かったことが示唆される。3月29日罫線は「リバーサル」のサインを点灯、足許の安値打診につながり、同日高値113.80も2月安値をから引かれたトライアングルの抵抗ラインと合致しただけに、ベアトレンドへ復帰した、といった判断の蓋然性も一段と高まる。先週の指摘通り、再度ドル売り/円買い好機だったことに鑑み、出遅れるショート筋が今週参入してこよう。110円台後半~111円台前半におけるサポートゾーン、2月~3月にかけて形成され、同サポートゾーンを割り込むまでなお保ち合いの可能性が示唆されるものの、割り込めば下落トレンドの加速につながる。110は心理大台、また日銀介入云々の思惑もあるが、國際協議なしでは介入があっても更なる円買いを招くだけで、現時点あり得ないと見る。従って、今週110大台割れを覚悟、105/106といったメインターゲットへ一段と近づく公算。
予想レンジ:107.60~112.00、 メインストラテジー:戻り売り
日本ほど自国通貨安を渇望している国はない。しかし…
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