昨日のアジア時間では、ドル円は106円台の前半で攻防が続いた。やはりイギリスの国民投票の開票日であった6月24日の戻し高値である106.80がかなり意識されはじめていたようであった。色々なウワサやリップサービスなどで、金融緩和と財政出動への期待だけが高まって、ここまで来たのである。
それでもイギリスはEU残留になりそうだという内容だったファーストショットの出口調査での反応のレベルまで戻ってくるということは、実際のEU離脱は何の問題もなくて、ましてやトルコのクーデター未遂も経済的には良いことをしたということになる。それだけ景気にとっても良いことならば、毎週ごとにでも起こればよいのにといった、ファンダメンタルズを考えるうえでも奇妙なことになってくるのだ。
昨日の欧州序盤にはドル円は106.70あたりまで急上昇してきて、やはり目先は上サイドを攻めたくて仕方のない有様を見せつけた。私もいずれは超えてくるものだろうと思いながらも、テクニカル的には106.50アッパーは売っておこうと考えていた。そこで106.75で買い戻しのストップロスを設定して、戻り売りに励んでいく。
私はドル円を106.50アッパーでショートにはできたものの、その後はほとんど下がらないでいる。ニューヨーク勢が参入してきても、ほとんど動きは見られず、ドル円は106.45から106.65の間で、この狭いレンジ内でのスタックとなった。
もう遅いので私はストップ注文をそのままに出しておいて寝てしまったが、夜中にダンになっていた。ユーロドルはそれほども動いていないし、また米国株も小動きのままだった。ドル円だけの単独の上昇である。確かに夜中に共同通信からのニュースで、日本政府の景気対策が20兆円規模になるのではという観測記事が出ていた。
これでややリスクテークに弾みがついて、上値を買っていくのにも恐怖が薄らいだのだろう。それにしてもニューヨーククローズ後にはドル円はさらに一段高し、107円台まで乗せてきている。
今晩はいろいろな経済指標がでてくるが、やはりその重要性は薄くなってきている。市場の関心は来週の日本の金融政策、つまり日銀会合であり、また政府発表の財政支出のないように集まっている。したがって期待ベースだけでもいいのだが、それによるドル円の伸びがどこまでなのかを見極める一日となる。
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