■米国株高が円安を後押しする
今年(2016年)は1ドル120円から100円まで20円落ちていますから、下を攻めるよりも上を狙うほうが妙味ありでしょうか。あとはFOMC、日銀次第かと思いますが…。
FOMCは声明文で景気判断を上方修正して、小幅米ドル高要因になるのでは…というのがコンセンサス。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
いずれにせよ、直後に日銀会合を控えているため、大きな動きは出づらいでしょう。日銀は追加緩和があれば108円、なければ103円。

(出所:CQG)
ヘリマネについては黒田さんが記者会見で「議論があった」程度にコメントをするだけでも米ドル/円は急騰するでしょう。その程度のコメントも現実にはないとは思いますが…。
FOMCが少しでもハト派的になると、株式市場にはプラスですね。過剰流動性が株式市場に流れて、米ドル/円の押し上げ材料になる。
あとはヨーロッパでのテロ。週末、7月22日(金)にもミュンヘンで悲惨なテロが起きましたが、テロのたびにユーロがジリ安となり、一方で米ドルが買われています。
不謹慎な話ではありますが、ヨーロッパのテロが米ドル高を招いている面もあります。
NYダウもS&P500も史上最高値を更新する中、米ドル/円が下落するというのはちょっと考えづらいですね。

(出所:CQG)

(出所:CQG)

(出所:CQG)
株高の一方、蚊帳の外におかれているのがコモディティ。
原油は西原さんも言っていたとおり、52ドル台を天井に44ドル近辺まで調整していますが、そろそろコモディティの反騰がありそう。

(出所:CQG)
もう一段の下落を見込む声がコンセンサスになってきただけに、逆にここで落ち切らないと上がりそうな気配もあります。そのとき、米国株は多少調整するのかもしれませんが…。
米ドルがじり高となっているだけに今週、7月27日(水)のFOMCでハト派的な声明が出れば、米ドル安となってコモディティが一転上昇するかもしれません。
イベントで原油の下げる場面があれば買いたいと思っています。コモディティはダメだと思わないほうがいい。
■Brexitはアメリカにショックを与えず
英国のEU(欧州連合)離脱は、著名な政治学者のイアン・ブレマーが「今年の重大なリスクのひとつ」と年初に予想していて、それが現実になりました。
【参考記事】
●今年の10大リスクが早速炸裂!? 中国株暴落、中東大荒れ、2016年相場は波乱の幕開け(1月5日、西原宏一&松崎美子)
日本では円高・株安となったため、ショックのように感じますが、米国株は史上最高値を更新。Brexit(英国のEU離脱)のリスクを警戒していた投資家があわてて買っているため、上がってきているのでしょう。
アメリカの株式市場から見れば「Brexit? だから?」という世界です。リーマンショックのようなことにはならず、孫正義さんのような人から見れば、結果的に絶好の買い場となりました。
孫さんはディールが上手ですね。円は孫さんやヘリマネ期待で売られやすく、コモディティが上がるとすれば、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)、資源国通貨の買いもおもしろいかも。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
日銀次第ではありますが追加緩和がなく、落ちる場面があれば拾っていきたいですね。何もなければ1ドル102円、103円程度までの押し目はあるかもしれません。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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