■欧州のテーパリングは時期尚早か。ECBでユーロが動く?
さて、欧州の方に目を向けてみると、本日10月20日(木)にはECB(欧州中央銀行)の定例理事会が開催されます。
ここのところ、ECBが出口戦略を探り始め、テーパリング(※)を検討しているのではないか?という憶測が市場に流れています。そうしたムードを受けて、ECBは、何らかのメッセージを出すのではないか?ということで注目が集まっているのです。
これに関して私は、欧州経済は、依然として下振れリスクを抱えており、テーパリングの議論は時期尚早であると考えています。したがって、ECBは、この可能性について否定的な見解を示す可能性が高いのではないだろうかと考えています。
もしかすると、政策金利について、マイナス金利のさらなる引下げを検討することもあり得るとも考えています。その場合、さらなるユーロの下落が起きるでしょう。
しかし、仮に予想に反して、テーパリングの可能性を示唆するような言及があれば、ユーロは急伸するかもしれません。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
■一目均衡表で分析! 米ドル/円は再び雲の中に戻ってきた
次に、少しだけ一目均衡表でのチャート上での状況を説明しておきます。
まず、米ドル/円ですが、雲の上限をいったん上に抜け、その後、雲の上を推移していましたが、しっかりとした上昇トレンドを作ることができず、雲の中に戻ってしまっています。
これは上昇トレンドを形成することができなかった可能性が高いと見て取れます。このままジリ安がもう少し続くと、その後のさらなる下落を誘発する可能性もあると考えられます。
(出所:ヒロセ通商)
■一目均衡表で分析! ユーロ/円は再び雲の下限より下へ
次にユーロ/円ですが、雲の上限を抜くか抜かないかの攻防がありましたが、結局、上限の壁を破ることができずに反落。そして、再び雲の下限より下の領域に入っています。
これは、再度、下値を試す可能性が出てきたことを示唆していると考えられます。メドは、前回9月21日(水)と22日(木)の両日につけた安値112.083円あたりでしょうか。
(出所:ヒロセ通商)
■一目均衡表でユーロ/米ドルは雲と乖離、売られ過ぎ?
ユーロ/米ドルは、すでに下抜けをしていますが、雲と乖離してきているのが気になります。
やや売られ過ぎの感があるのです。
ここからは、下落のスピードが緩やかになります。もし、ユーロ買いのニュースが出てくると、一気に上昇する可能性もあるでしょう。
(出所:ヒロセ通商)
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