■ブラジル中銀が4年ぶりに利下げを決定
今週(10月17日~)のマーケットの話題は19日(水)に決定された、4年ぶりのブラジルの利下げ。

(出所:ブラジル中央銀行)
ブラジル中央銀行は19日の金融政策委員会で、政策金利を0・25%引き下げ、14・0%にすることを決めた。利下げは2012年10月以来、約4年ぶり。
中銀は15年7月以降、14・25%の高金利を維持してきた。インフレ率が落ち着きを見せ始めたことから、低迷が続く景気に配慮して利下げを決めた。決定は全会一致だった。
出所:Bloomberg
低迷が続く景気に配慮という点もありますが、主要国と違って、新興国通貨にとっての利下げは通貨防衛策の必要性の低下を意味します。

(出所:CQG)
グローバルな株の急落といったマーケットに強い負荷がかかった場合、新興国通貨は真っ先に売られる傾向にあります。
こうした局面では、中銀が「利上げ」という手段を使い、通貨を防衛しようとします。
今回ブラジルが利下げ、つまり、金融緩和を決断したということは、マーケットでウワサされているような「トランプリスク」や「ドイツ銀行の経営破たん」といったリスクオフ拡大の可能性が低下したという意味でもあります。
■WTI原油は51ドル台、日経平均は1万7000円台回復
こうした環境下、前回のコラムでも取り上げたWTI原油価格は51ドル台まで回復。
【参考記事】
●原油上昇と金反落が米ドル/円をサポート。105円突破すれば109円台へ上昇濃厚!(10月13日、西原宏一)

(出所:CQG)
日経平均も久しぶりに、1万7000円台を回復。

(出所:CQG)
■オセアニア通貨が上昇。当面、底堅く推移する公算も
多くのリスクオフ要因がメディアで取り上げられていますが、ブラジル同様、リスクアセットでもあり、資源国通貨のNZドルや豪ドルも上昇。
NZドルはテクニカルの状況好転もあり、対米ドルでは1週間で1.90%も急騰。NZドル/円は1.80%の上昇。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 日足)
ユーロに対しては2.75%も急騰しています。

(出所:CQG)
日経平均を筆頭に株も底堅いこともあり、NZドル/円、豪ドル/円といった対円でのオセアニア通貨は当面、底堅く推移する公算が高まっています。
■米ドル/円は押し目買い戦略を継続
対オセアニア通貨での米ドル安の流れも影響し、米ドル/円は今週(10月17日~)も105.00円は超えられず。今週(10月17日~)の高値は104.40円。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
104.50円、105.00円に設定されたオプションからの米ドル売り圧力でいったん上値が抑えられている展開です。
ただ、前述のように、日経平均は1万7000円台を回復、WTI原油価格は51ドル台に到達と、マーケット環境は徐々に好転しており、米ドル/円の下落余地は限定的。
【参考記事】
●ドル/円は今週も押し目買い戦略を継続! トランプリスクで下落なら買い場となるか(10月17日、西原宏一&大橋ひろこ)
米ドル/円は引き続き押し目買い継続、加えてオセアニア通貨の対円での動向にも注目です。
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