■驚愕の英ポンドのフラッシュクラッシュ!
まず、今週(10月10日~)の為替市場での話題は、先週末、10月7日(金)の英ポンドのフラッシュ・クラッシュ。つまり、英ポンド/米ドルの瞬間での暴落です。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 4時間足)
僕も知らなかったのですが、先週、10月7日(金)の英ポンド/米ドルの安値は800pipsもの差があります。
【参考記事】
●ポンド殺人事件の謎を追う!暴落の真相は? スプレッドが狭いままだったFX会社発見!
某FX会社2社の英ポンド/米ドルの安値が1.1400レベル???
一方、安値が1.22ドル台??のFX会社もあります。
この差が、約800pips。
加えて、FX会社によって安値を付けにいっている時間も違います。
そして、銀行間の安値は1.1841ドル(ブルームバーグ)。
これで資金管理をしろというほうが無理な話…。
■FXはリスク管理上「流動性の確保」が重要
もちろん、英ポンド/米ドルをショートにして買い注文さえ置いていれば、収益性の高いトレードができた可能性もありますが、FX会社によっては1.22ドル以下で買い戻すことはできません。
一方、FX会社によっては、ストップロスが1.14ドル台で約定される可能性もあるわけです。
つまり、為替トレードにとって一番重要な資金管理ができず、先週、10月7日(金)からの英ポンド/米ドルのトレードはギャンブルに近いものになっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 4時間足)
10月12日(月)早朝も、ニュースもない中、英ポンド/米ドルは1.2284ドルまで瞬間で吹き上がりました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 30分足)
英ポンドが急騰した要因は、英国のメイ首相が議会に譲歩との報道ですが、急騰したあとの解説なので、トレードする立場としては、ニュースのない中で吹き上がったとしか見えません。
たとえば、これも1.2200ドルでストップロスを置いていたら、どのくらいのレートで約定するか不明…。
ハードBrexit(英国のEU離脱)懸念で、まだ英ポンドの底がどこにあるかわからないため、英ポンド/米ドルの方向性は続落なのかもしれませんが、強烈な相場感があることと、100~200pips以上のスリッページも覚悟してのトレードスタンスでなければ、当面、英ポンドに関してのトレードは控えたほうが良さそうです。
それは、FXはレバレッジをかけるため、リスク管理上、「流動性を確保する」ことが重要な要素のひとつとして挙げられるからです。
■米ドル/円は依然上昇トレンド形成中
一方、英ポンド/米ドル同様、対円でも米ドル高が進行。
10月13日(木)の東京市場では、米ドル/円は一時、104.63円まで急騰しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
先週のコラムでご紹介したとおり、「陰の極」で立ち上がってきた米ドル/円は、依然米ドル高トレンドを形成中。
【参考記事】
●米ドル/円は「陰の極」形成後に反発! 重要なレジスタンスを突破し、次は107円へ(10月6日、西原宏一)
テクニカル要因では、日足の75日移動平均線、一目均衡表の雲の上限を上抜いてきたのは、前回のコラムのとおり。
【参考記事】
●米ドル/円は「陰の極」形成後に反発! 重要なレジスタンスを突破し、次は107円へ(10月6日、西原宏一)
週足のTDシーケンシャルもカウントダウンを終了して、ボトムアウトを示唆。
■原油は60ドル近辺までの上昇も視野に
先月(9月)までは他市場での動向においては、米ドル/円をサポートする材料に欠けていましたが、今月(10月)に入って米ドル/円をサポートする材料が出てきました。
まず原油の反発。WTI原油価格が一時、1バレル50ドルを突破する局面も。
【参考記事】
●米雇用統計は微妙も12月利上げはOK!? ドル/円は中期的な上昇期待で押し目買い(10月11日、西原宏一&大橋ひろこ)
イランが増産した分をサウジアラビアが減産するとまでサウジアラビアが態度を軟化させたことが反発の要因(サウジアラビアは今年(2016年)、イランと国交を断絶)。
26ドル台でダブルボトムを形成したWTI原油価格は、約2倍の51ドル台まで反発し、もみ合いを演じています。

(出所:CQG)
ただ、前述のようにサウジアラビアが態度を軟化したことにより、WTI原油価格は続伸する公算が高く、フィボナッチエクスパンションの161.8%が位置する60ドル近辺がターゲットとなりそうです。
【参考コンテンツ】
●【第6話】 西原さんが使っているテクニカル分析とは? その2

(出所:CQG)
昨年(2015年)から今年(2016年)にかけてのリスクオフ局面は、「原油本位制」とも呼ばれ、原油の急落がリスクアセットを圧迫していた要素も多かったため、WTI原油価価格の反発は円安要因となります。
■東京市場では圧倒的に円高志向が多いのだが…
次がゴールド。ゴールドは200日移動平均線を大きく割り込んで上値の重い展開ですが、これは米ドル高要因。

(出所:CQG)
東京市場では依然として「ドイツ銀行の経営悪化問題、トランプリスク、日銀のテーパリング懸念」など、豊富な?悪材料の中、圧倒的に円高志向が多いのですが、実際の米ドル/円相場は104円台まで反発しています。
加えて、前述した「原油高、ゴールド安」といった米ドル高要因も加わり、米ドル/円の米ドル高トレンドは変わらず。
節目の105.00円を突破するのに、一定の時間を要するかもしれませんが、米ドル/円は109円台へ続伸する公算が濃厚。

(出所:CQG)
100円台でボトムアウトして、米ドル高トレンドを形成中の米ドル/円の動向に注目です。
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