先週の金曜日に発表された雇用統計は、就業者数が予想に届かず悪かった。その一方で失業率は4.9%と、予想と同じ。しかしインフレ目標で重要さを増している平均時給はプラス0.4%と、予想を上回った。つまりどちらつかずの結果となったわけである。
そのお陰でドル円も一日を通じても50ポイントほどしか動かなかった。雇用統計の前後を挟んでの動きとしては、異例に小さい値幅だといわざるをえない。
これは大統領選という特殊事情を抱えているので、仕方のないところである。これは雇用統計が出る前からわかっていたことで、金曜日の海外市場では動きは鈍いものだろうと想定されていた。不透明感を増してきた大統領選のほうがイベントとしては大事なのである。
私も動かないだろうと予想していたので、積極的に相場に手を出すことはしなかった。ここはゆっくりと成り行きを見守ってからでも良いだろう。待つのも相場で、ちゃんと取りに行けるまで我慢すべきだろうと考えた。
11月になってはっきりしてきたことは、ドル安が進んだことである。ユーロドルもドル円も、週間のドル安水準でとどまっている。12月利上げはほぼ完璧に織り込まれているのだが、トランプ氏の攻勢が、マーケットに不安を与え続けているのだろう。
米国株は9日続落となった。これは1930年以来のことだそうだ。つまり世界大恐慌のとき以来ということだ。それだけの大きな激震を予感させることが、これから起こってもおかしくはないという意気込みで今年の後半の望まないといけない。
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