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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円は5月の介入後につけた安値、151.86円を割り
込むかどうかが重要に! 今は円高といえる水準では
ない、円売りバブル崩壊が損切りの連鎖を招いただけ!

2024年07月26日(金)19:19公開 (2024年07月26日(金)19:19更新)
陳満咲杜

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現在の「株安・円高」の市況はまったくサプライズではなく
「買われすぎ・売られすぎ」による当然の結果

 「株安・円高」の市況が見られている。筆者は繰り返しその可能性や蓋然性を指摘してきたので、当然の成り行きとみなし、今さら解釈しなくてもよいかと思っている。

 とはいえ、日経平均は今月(2024年7月)高値から約5000円の反落を果たし、また米ドル/円も一時10円近い下落幅に達したから、やはり「解釈」しないといけない。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 さらに、今になっていろんな解釈が噴出し、そしてついこのあいだ170円とか180円とかのターゲットを提示して円安トレンドをあおった者でさえ何食わぬ顔で「なぜ円高となったのか」を解釈しまくる状況になっているから、一層本質を提示しないといけないかと思う。


 端的に言うと、上記のつぶやき(筆者のX)のように、シンプルな話だ。ごくシンプルな話なので、余計な解釈は不要というか、本質的な話ではないから、まずこれを言わないといけない。

 金融相場なので、売られすぎたものは必ず買い戻され、そして買われすぎたものは必ず売られてしまう。それだけなので、たとえ天下のエヌビディアでも例外ではない。最近のエヌビディア株の反落ぶりがその証である。

 もっとも、株の反落は往々にしてリスクオフの傾向を伴い、変動率の拡大で円キャリートレードの巻き戻しにつながる。最近の市況はその典型であり、筆者からみれば、まったくサプライズ的な要素はないと言える。

 しかし、冒頭で「株安・円高」にカギカッコをつけたように、今の市況を厳密に言うと、株安でもなければ、円高でもないはずだ。換言すれば、単に買われすぎた株と売られすぎた円の調整局面にある、というだけだ。

 ここでまず指摘しておきたいのは、株の調整にしても円の反騰にしても、トランプ氏の発言とか、日銀利上げの可能性とか、日本の閣僚や与党幹部の発言などなどの材料が後解釈や言い訳の材料として語られているが、すべて原因ではなく、あくまできかっけにすぎなかったということだ。

 次に、いったん調整ムードに入ると、確かにスピードが急で(昨日・7月25日の日経平均の1285円安がその典型)、大半の市場参加者を震撼させるものだが、絶対水準でみると株安や円高と言えるかは疑問だ。

 日経平均は、確かに史上最高値の4万2000円台から大きく反落し、本日(7月26日)3万7667円で大引けしたが、それでも4月安値の3万6733円より高い水準にある。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

 そして、米ドル/円に至っては、昨日(7月25日)の安値がまだ5月安値を割り込んでおらず、円高と言える水準ではなかろう。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート
 

(出所:TradingView) 

米ドル/円は「激安」だった円がやっと落ち着いた程度の戻り
為替介入後の5月安値を割り込むかどうかが重要

 株の話はいったん置いておいて、為替に限定して話すが、米ドル/円にとって、5月安値の割り込みの有無が重要だ。

 なにしろ、今年(2024年)最初の為替介入があったのが4月29日(月)だったが、その後5月3日(金)安値の151.86円まで反落したものの、その後大きく再上昇し、7月3日(水)高値162円をいったん打診した経緯から考えて、「激安」だった円がやっと落ち着いた程度の戻りだと理解できる。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView) 

 というのは、そもそも4月末に日本当局の介入があったのも、当時円が売られすぎという判断があったからだ。

 また、当時152円を超えたところで、日本の個人投資家が競って「介入便乗プレー」(介入を先回りした米ドル売り・円買い)を行った。結果的に失敗した方が多かったと思うが、当時はかなり円安の進行が行きすぎだ、という感覚があったに違いない。

 しかし今となって円高円高と騒ぎ出すのは、ほかならぬ、円がその後、加速的に売られ、162円の高値を付けたからにほかならない。

 言ってみれば、巷で言う円高にしても円安にしても、厳密な基準を持ったわけではなく、あくまで値動きに翻弄される感覚で言っているだけの話だ。

目先の「円高」が急なので、米ドル/円の切り返しがあるか
10円程度の円の買い戻しがあっても、まだ円高とは言えないが

 では、4月末の日本当局の為替相場介入は、感覚で行われたのだろうか。答えはもちろんNOだ。

 日米金利差から大きく乖離した円安の進行が異常と判断したからこそ、介入が行われたはずだが、その後、日米金利差自体が拡大ではなく縮小してきたにもかかわらず、円がさらに売られたわけで、7月11日(木)の再度介入が決定されたわけだ。

 言ってみれば、そもそも円売り自体が異常の上に異常に進行していたから、いったん修正されると、円が一気に買い戻されたわけで、またそのような変動自体、むしろ正常だと思う。

 つまるところ、猫も杓子も円を極限まで売り込んでいたから、円売りバブルの崩壊で損切りの連鎖を招き、10円程度の円の買い戻しがあってもまだまだ円高とは言えない

 おもしろいことに、7月11日(木)に日本当局の介入があって、米ドル/円がいったん大きく反落した後でも、国際投機筋や日本の個人投資家の総計としてまた円売りを仕掛けていたようで、結果的に円売りバブルの崩壊を加速させたわけだ。

 最後に、円安円安と煽ってきた某大先生が、145円とかの円高ターゲットに言及している目下、筆者は一転、目先の「円高」が急なので、いったんスピード調整、すなわちいったん米ドル/円の切り返しがあることを想定している。

 それはごく短期スパンの話であるが、株の反発に伴い、米ドル/円が再度買われる可能性がある。テクニカルの視点は次回に譲るが、日経平均に関するテクニカルの考案は以下のとおりなので、ご参考まで。

 市況はいかに。

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