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米ドル/円は一時151円台！きっかけは河野大臣と茂木幹事長の発言だった

 7月31日（水）に行われる日銀の金融政策決定会合が当面の最大の山場だと申し上げてきましたが、それが前倒しでやってきました。

 きっかけは、河野大臣と茂木自民党幹事長が、「日銀は利上げをしていくべき」旨の発言をしたことでした。日銀は日銀法という法律で、政治から独立していることを保証されていますが、現実は、完全に独立しているわけではありません。

 というのは、日銀総裁は政府が任命して、国会が承認するわけなので、どうしても政府の意向を意識する傾向があるということです。安倍元総理がアベノミクスを推進するに当たって、黒田氏を総裁に指名して、大胆な金融緩和を実施させたというのは有名な話です。

 そういう状況の中で、政府の閣僚である河野大臣と与党のトップである茂木幹事長が同じような内容の発言をしたものですから、マーケットは大きく動揺しました。

 米ドル/円は一時151円台まで下落し、政府による為替介入以降ピークから10円近く下落したことになります。

米ドル/円 日足

（出所：Tradingview）

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急激な円高のひと段落か？次は日銀会合が最大の山場に

 今回の急激な円高は円売りポジションの大規模な解消が原因です。

 こうした政治家の発言に対しては、日本人より外国人のほうが敏感です。今週は、多くのヘッジファンドなどが、急激に円安ポジションを解消していった1週間でした。ただ、昨日（7月25日）大きく下押しした後、戻して終わるといういわゆるセリングクライマックスのような動きを見せましたので、今回の急激な円高は昨日でひと段落したと思います。

 しかし、ここからまた円安に戻るかと言えば、そうとはならないと思います。やはり31日の日銀金融政策決定会合でどういう決定がなされるかが最大の山場ですので、そこまでは動きがとりづらいからです。

 ここからは、しばらく不安定に上下動を繰り返し、注目の31日を迎えるということになるのではないでしょうか。

米ドル/円 日足

（出所：Tradingview）

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日銀が本気だと市場が受け止めれば、米ドル/円は150円割れの可能性が高まる

 さて、焦点は31日の日銀金融政策決定会合でどういう決定がなされるかということになっています。

 ポイントは、国債買い入れ減額がどの程度になるのか、さらには、同時に政策金利の引き上げがあるのかの2点です。

 今回の会合で国債買い入れ減額を決定することはすでに公表されていますので、減額のペースがどうなるかがポイントですが、こちらは2年ぐらいかけて半分程度にしていくといった常識的な判断になると思います。そうなると、より重要なのは利上げがあるのかという点です。

 正直、そこまで日銀が一気に動く可能性は低いと思っていましたが、政府サイドからああいった発言がでてくると、「ひょっとしたら」とどうしても思ってしまいます。

 とにかく結果を待ちたいと思います。もし、利上げが決定されるようなことがあれば、マーケットは、「日銀が円安を止めるために本気になっている」と受け止めると思いますので、米ドル/円は150円を割り込んでくる可能性も高まってくると思います。注目しておきましょう。

米ドル/円 日足

（出所：Tradingview）

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