■短期での調整に警戒も、ユーロ/豪ドルは下落継続へ
結果、資金は高金利の通貨に流れ、呼応して豪ドルが堅調な推移に。
短期では上記の流れの中、今月(2月)の豪ドルクロス(豪ドルと米ドル以外の通貨との通貨ペア)は堅調な展開。豪ドル/円、ユーロ/豪ドル、豪ドル/NZドルと軒並み豪ドルが底堅い動きに。
注目はユーロ/豪ドル。
フランス選挙情勢の混乱からのユーロ売り圧力とゴルディロックスからの豪ドルへの資金還流の流れが相まって、今月(2月)のユーロ/豪ドルは大きく値を下げています。
直近ではかなり売られすぎ状態となっているため、戻りを待ちたいところです。しかし、混沌としたフランス情勢と、堅調な米国株の動向から考えれば、中期でのユーロ/豪ドル下落の流れは続きそう。
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■驚くべき税制改革が出れば米ドル/円は動意づくか
リスク許容度を測る通貨ペアでもある豪ドルが堅調な中、米ドル/円も下値余地は限定的。
ただ、前述のように米金利がなかなか上がってこないことも影響し、今月(2月20日~)は111~115円のレンジで膠着。
一方、トランプ米大統領が税制改革で「驚くべき」提案をするといった期限が迫ってきており、それが米ドル/円相場を動意づかせるきっかけとなることが期待されています。
トランプ米大統領は9日、航空大手首脳とホワイトハウスで会談し、今後数週間に税制改革に関する抜本的な提案を明らかにする考えを示した。
大統領は「向こう2、3週間に税、および航空インフラ開発に関して、目を見張るような発表を行う」と述べた。ただ詳細には踏み込まなかった。
出所:ロイター
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
この報道がなされたのが2月9日(木)。向こう2~3週間とは、2月下旬から3月初旬。
トランプ米大統領が予告した「目を見張るような税制改革」の発表を前にして、米国株は堅調に推移。
米ドル/円と日経平均は「東芝ショック」から来る売り圧力が効いているため、米国株に周回遅れの展開ですが、高値圏で張り付いたままの米国株の動向を横目に「米ドル/円と日経平均」の下値余地も限定的。
【参考記事】
●東芝1兆円損失の可能性がドル/円に波及。115円付近が当面の高値となるかも…(2月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
■米ドル/円のレンジ上抜けは3月上旬ごろ?
米ドル/円の動きをテクニカルで確認すると、米ドル/円は1月後半に日足・一目均衡表の厚い雲の中に突入しており、この雲を抜け出すのに一定の時間を要するのでしょうが、トランポノミクスの方針が具体化する過程で米ドルはどうしても米ドル高の方向に向かわざるを得ない展開。
(出所:Bloomberg)
3月の本邦期末を控え、本邦機関投資家から手当ての遅れている米ドル買いがマーケットに投入される可能性もウワサされています。
期末に照準を合わせるのであれば、彼らからの米ドル買いがマーケットに投入されうる時期も2月後半から3月上旬となります。
こうした背景から、米ドル/円がレンジを抜け出すのは3月上旬ごろの公算が高まります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■仏情勢混沌+ゴルディロックスでユーロ/豪ドルに注目
そして、短期では極めて売られすぎているため、戻りを待ちたいところですが、フランス情勢が混沌とする中でのユーロ売り圧力と、ゴルディロックス環境下での豪ドル買いの流れからのユーロ/豪ドルの動向に注目です。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 日足)
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