■ユーロ急騰はオプションの影響も
15日(水)には米債務上限問題が期限切れとなりますが、ムニューシン財務長官が期限延長の臨時措置を表明しているのでおそらく大丈夫なのでしょう。同日、オランダでは選挙があり、極右政党が第一党になる可能性が高まっています。でも、連立政権には否定的なので野党第一党にとどまる見通し。
ユーロは先週、3月9日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会以降、急騰していますよね。テーパリング(※)の年内開始が視野に入ってきた、ということなのでしょうか?
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
それもありますが、オプションの影響も大きいはずです。
5月のフランス大統領選挙での極右大統領誕生による「Brexit(英国のEU離脱)の再来」を懸念して、ユーロプット(※)のオプションが買われていました。ただ、買われ過ぎとなっていましたし、中道系候補の支持率が上昇していることもあり、買い戻しが進んでいるのでしょう。
(編集部注:「プット」は売る権利のことで、「コール」が買う権利のこと)
ユーロ/円のチャートは、上がりそうなかたちになってきましたよね。
チャートだけで決め打ちすれば買えるかたちですよね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
米ドル高が調整局面に入り、米ドル/円が急落しないようならクロス円は上がりそうなのですが、ユーロがらみは選挙にまつわるヘッドラインで振り回されがちです。
ファンダメンタルズとヘッドラインがごちゃ混ぜになっていることが、ユーロを取引しづらくさせていますね。
【参考記事】
●行方がわからなかったユーロ/円のトレンドがついに判明!? 120円前後の値動きに注目(3月8日、松田哲)
■セル・ザ・ファクトによる米ドル安に警戒を
イベントでは今週(3月13日~)、日本銀行の金融政策決定会合も開催されますが無風となる見通し。そして週末にはG20(20カ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)が控えています。
ムニューシン米財務長官のデビュー戦となりますね。自国通貨安を誘導しようとする国を、米国は容認しないとのメッセージを打ち出す計画だとの報道が出ています。

3月17~18日に、G20(20カ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)が開催される。ムニューシン財務長官は、自国通貨安に誘導しようとする国を容認しないメッセージを打ち出すと報じられているが… (C)Bloomberg/Getty Images
来週(3月20日~)は月曜早朝の窓開けに注意ですね。
まとめると、今週(3月13日~)のポイントは15日(水)。FOMCでのセル・ザ・ファクトを警戒し、それまでに米ドル/円のロングを手仕舞い、短期ではいったん売ってもいいかな、というイメージです。
【参考記事】
●月曜日の窓埋めトレードを狙ってひと儲け! 午前3時からトレードすればニ度オイシイ…!?
(構成/ミドルマン・高城泰)
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