■新年度入りによる本邦機関投資家の動向に注目
前述のように、米ドル/円はトランプラリーの50%戻し水準まで急落した後、保ち合い相場入り。
この後の相場は、来週から4月入りというシーズナルファクターに大きく左右されます。
4月という月は、本邦の新年度入りということもあって、3月までのトレンドが4月入りして大きく変貌する傾向があるためです。
たとえば、昨年(2016年)の4月。
昨年(2016年)4月は本邦勢の新規投資も期待され、米ドル/円、そして日本株とも反発することが予測されていました。
ところが、昨年(2016年)4月の米ドル/円は大きく下落。
(出所:Bloomberg)
その要因は中東勢でした。
2016年前半は原油が急落し、一部では原油本位制ともいわれ、原油の動向が米ドル/円の動向に大きな影響を与えていました。
【参考記事】
●原油上昇と金反落が米ドル/円をサポート。105円突破すれば109円台へ上昇濃厚!(2016年10月13日、西原宏一)
●なぜ、日本株と米ドル/円はじりじり上昇? カギ握る中東マネー。ドル/円は109円台も(2016年10月27日、西原宏一)
昨年(2016年)4月は中東勢が原油の急落に耐えられず、キャッシュが必要となった彼らは日本株を大きく売り越します。
同時に米ドル/円の売りも持ち込み、米ドル/円は下落しました。
加えて、上海合意のウワサもあり、昨年(2016年)4月の米ドル/円は112円から106円まで大きく値を崩しました。
【参考記事】
●安倍首相が米国に「介入しない」と宣言!? 上海合意で、米ドル/円は100円も視野に!(2016年4月6日、西原宏一)
■本邦勢の米ドル買いなければ、さらなる米ドル安の公算も
今年(2017年)も4月に入って本邦勢から新規投資による米ドル買いが断続的にマーケットに投下されない限り、トランポノミクスの失速がさらなる米ドル安を誘引する公算が高まっています。
仮に、米ドル/円がトランプラリーの50%戻しを割り込むと、米ドル安に加速がかかるので要注意です。
(出所:Bloomberg)
トランプ政権及び共和党の目指す経済政策の実行の遅れがトランポノミクスの失速となり、上値が重くなった米ドル/円の動向に注目です。
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