先週の金曜日はアメリカの雇用統計であった。それまでにもアジア時間で原油相場のスリップもあって、リスク許容度が減退する局面があった。ドル円も50ポイントほど後退。それで目先の頭の重さが意識された。
ちょっと113円台には遠いかなという印象を与えることとなり、一段の値崩れがあったら、今度はロングの投げ売りが心配される環境となった。しかし欧州時間でもドル円は112円台を割り込まず。そして雇用統計の発表に向かって、ドル相場は強まり、全面高となってきた。
その注目の雇用統計の結果は良いものであった。就業者数は21万人台の増加で予想を大きく上回り、失業率も4.4%になって10年ぶりの、つまりリーマンショック以前の状態にまで回復した。これで瞬間的には素直にマーケットはリスクテークで反応。
株高、ドル高の展開となったが、5分ほどですぐに元のレベルまで押し戻された。平均時給の伸びがイマイチだったのと、債券相場が突込みはしたものの、すぐに反発の兆しを呈したからだ。米長期金利が高まらない限りは、安易に一段のリスクテークはやりにくい。
ドル円はおおむね指標の発表で上下ともにやってしまったかなと思われたが、ニューヨーク時間の終盤に株価が一段高。それにともなってリスクテークの動きが増した。これは週末のフランス選挙の結果を先取りしたものだ。ダウ平均は21000円の大台に乗せて引けて、ナスダックも6100台に到達している。
リスクテークの流れの強まりで、ユーロ円は高い。今年の最高値圏で位置している。ドル円も週の高値近辺で張り付いて週を終えており、ユーロドルも今年の最高値にピッタリと張り付いている。
週が明けて値が飛んで始まったらアナザーワールドに旅立つのだろうと考えていたが、今のところ、テクニカル的な抵抗にあっているようだ。フランスの大統領選の第1回目の時と同じで、始まり高で、後はドル円もクロス円も下がってきている。
今週は韓国の大統領選もあるが、世界的に株価のトップを見極めないといけない週になりそうだ。つまりリスク相場のあり方に注意を払っておかないといけないということだ。
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