■円売りのスピードが速すぎるので、いったん調整ありか
もっとも、米ドル/円の切り返しは、ユーロ/円、英ポンド/円の急反騰に伴うものだったから、4月までの円買いムードから一変して激しい円売りムードに変わったことも確かだ。
ここにきて、さすがに円売りの「スピード違反」が見られてきたので、ユーロ/円をはじめ、いったん調整ありと思われる。
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ユーロ/円は昨年(2016年)高値を更新したあと、やや失速し、英ポンド/円は昨年(2016年)高値に接近したもののブレイクできず、やや頭の重い兆しが出てきている。
しかし、米ドル/円の上昇トレンドがホンモノなら、両通貨ペアの反落があってもベア(下落)トレンドへ復帰するわけではなく、上昇トレンドにおけるスピード調整、といった位置づけは不変であろう。
もちろん、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)であるだけに、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル次第で、調整の値幅が大きくなる市況も想定されるが…。
■英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは反落へ
ドルインデックスのブル基調が想定される中、ユーロ/米ドルのみでなく、主要通貨ペアの英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルの頭打ち、また、反落トレンドを想定しておく必要がある。
堅調に推移してきた英ポンド/米ドルは、1.3ドルの心理的大台をブレイクできずに軟調な兆しが出てきており、豪ドル/米ドルにおいては3月にすでに頭打ちのサインが点灯していたから、2017年年初来安値の再打診は、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルより先に試されるだろう。
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■豪ドル/円の反落はなぜ、もっとも確認されやすい?
ユーロ/豪ドル、英ポンド/豪ドルの値動きをチェックすれば、外貨同士の強弱は一目瞭然だ。
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ゆえに、前回のコラムでも強調したが、基本的には為替市場において、「出遅れ」を拾うといった戦略は存在しない。
【参考記事】
●年初来の円高局面が円安局面へ転換! でも、出遅れの豪ドル/円は出遅れのまま!?(2017年5月8日、陳満咲杜)
米ドル全体のブル基調が想定される中、もっとも弱い豪ドルはさらに売られていく公算が大きいから、このところの反発が弱かった豪ドル/円は、円売りが一服し、また、スピード調整が行われる可能性が大きい足元では、反落がもっとも確認されやすいのではないだろうか。市況はいかに。
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