■1ドル=115円抜けは3度目の失敗、上値は重い
マクロンラリーによるユーロ/円急騰が牽引して上昇していた米ドル/円ですが、「ロシアゲート」が注目されてきたことで5月17日(水)に急落しました。
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米ドル/円は115円に届かずに反落したことで当面は上値が重たそうです。
今年(2017年)の動きを振り返ると2月、3月、そして今回と115円抜けのトライはいずれも失敗。115円がちょっと遠くなり、上値が重くなった展開ですね。

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どのあたりの水準まで下がりますか?
当面の下値は先週(5月15日~)のサポートであった110円。夏場くらいまでを見渡せばいったん108円割れを試す場面があるかもしれません。
ただ日米の金利動向からみて、米ドル/円が急落するシナリオは考えにくい。年末120円のターゲットは変えていませんが、目先は上値が重く、今週(5月22日~)はもみ合いでしょうか。
怖いのはロシアゲートですが、コミー前FBI(米連邦捜査局)長官の委員会証言は来週、5月30日(火)以降に行なわれる予定なので、今週(5月22日~)はいったん米ドルが買い戻されるかもしれませんね。
アメリカではトランプ政権となって初めての予算教書の発表が明日、5月23日(火)。
大型減税や財政出動などを反映した財政赤字や成長率の見通しが焦点です。
■FRB高官は6月利上げを織り込ませるか
今週(5月22日~)の予定を見ると、FRB(米連邦準備制度理事会)高官の発言機会が目立ちます。
本日、5月22日(月)はフィラデルフィア連銀総裁のハーカー氏とミネアポリス連銀総裁のカシュカリ氏、明日、5月23日(火)の朝にはブレイナードFRB理事とシカゴ連銀総裁のエバンス氏。
さらに週半ば以降にも講演予定が続きます。これがなぜ注目かといえば、最近のFRBを見ていると利上げ前にはFRB高官の発言によって織り込ませようとする傾向があるため。
つまり今週(5月22日~)、利上げに前向きな発言が目立つようなら6月利上げが濃厚となってくる。

写真はFRBのブレイナード理事。今週はFRB高官の発言が多いので、利上げに前向きな発言が目立つようなら6月FOMCでの利上げが濃厚となってくる (C)Bloomberg
一時は100%近くまで上昇した6月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ織り込み度ですが、足元では80%弱まで低下していますね。
6月13日(火)~14日(水)のFOMCで利上げするのなら、今週(5月22日~)あたりから織り込ませにいくでしょう。
利上げに積極的な発言が出れば米ドルは買われやすくなります。

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(次ページではOPECでの減産延長や米ドル/円の戦略の話題が…)
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