■入り方を間違うと痛い目に…。難しい相場展開
先週(5月8日~)は、恐怖指数と呼ばれるVIX指数が1993年以来という、実に24年ぶりの低水準になったことが市場の話題となっていたのですが、前回のコラムでは、それと同時に「トランプ政権」への不安材料が残っていることもお伝えしたと思います。
【参考記事】
●なぜ、VIX指数は24年ぶりの低水準に!?円売りに慎重にならざるを得ない理由とは?(5月11日、今井雅人)
今の状態は、「普通に経済状況だけを考えれば、米ドル高・株高という動きになる環境にある」が、「トランプ政権が何をやらかすかわからない」というリスクが常に存在していると指摘しました。
前回のコラムでお伝えしたとおり、相場は、「安定すると米ドル高・円安・株高傾向になるのですが、それがある程度進むと、何か事件が起きたりして相場が混乱し、逆流します。そして、それが落ち着くと、また元の軌道に戻ります」といった動きを繰り返しており、入り方を間違うと痛い目に合ってしまいます。
非常に難しい相場展開が続いています。
■メモの存在が報じられ、「トランプリスク」再燃
私は先週まで、「また何かが起きてもおかしくない」という不安感から、円売りには慎重な姿勢で臨んでいましたが、やはり、市場もそういった不安を少しずつ感じていたような展開となりました。
そして、昨日5月17日(水)は、ついに、その「トランプリスク」が再燃。NY市場では、一気にリスクオフの動きとなってしまいました。
アジア時間の朝方から、トランプ米大統領が先日解任したばかりのコミー前FBI(連邦捜査局)長官に対し、辞任したフリン前大統領補佐官への捜査を打ち切るように要請したとするメモの存在が、NYタイムズで報じられたことがわかると、米ドル/円は売りが強まることとなりました。
■トランプ大統領弾劾の可能性浮上で、リスクオフに…
NY時間に入ると、米長期金利が急激な低下となったほか、NYダウや日経平均先物も急落。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
米ドル/円は、投げ売りが断続的に持ち込まれ、一時110.795円まで売り込まれました。
市場参加者から話を聞いてみると、「トランプ米大統領の弾劾の可能性もある」といった認識が高まったことで、リスクオフの動きを助長してしまったようです。
そして、本日のアジア時間に入って、米ドル/円は再びストップロスを誘発。一気に110.538円という安値まで売られてしまいました。まさに、セリングクライマックス(※)的な動きとなっています。
(編集部注:「セリングクライマックス」とは、下落相場の最終局面に起こる暴落のこと。これが起こると一般的に、その後、相場は反転すると言われている)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
では、この状況で、どう相場に臨んでいけば…
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