先週の金曜日はアメリカのGDPが発表された。それまでドル円は111円ちょうどをはさんだ動きに徹していたが、突っ込んで売っていくにはやはりGDPを見てからにしたいという感じが強かった。また私もそうである。
それまでは110円台に突入しても、拾いたい人にとってのお拾い場になるのだろうという状態だ。朝鮮戦争の記念日でミサイル発射が懸念されていたが、それも見られなかったということでリスクの低下からドル円が買われてしまうかもしれない。ショートカバーが怖いのもあったが、ともかくもGDPが出てからだ。
GDPの結果はプラス2.6%であって、事前の予想とほぼ同じであった。これでFRBによる金融政策の進め方にはドラスティックな変更はないだろうということで解釈されたようだ。利上げペースはゆっくりと、そしてバランシートの縮小時期も9月からということだ。
それで為替相場ではドルの全面安となった。ドル円は110円台に突入したが、突っ込んで売りたくなるほど勢いはなかった。いかにも売ってしまうと刺さりそうであった。なかなか手が出なかったが、夜中には110円台のミドルまで落ち込んでいる。
ユーロドルも1.17台の後半まで値を戻して、高値圏で張り付いてニューヨーク市場を終えることとなった。米国株は軟調に推移したが、ニューヨーク時間のランチタイム以降は見直し買いも入り、それまでの下げ分は全部取り戻してきた。ダウ平均が3日連続の歴史的な最高値を更新。
今週は週の後半にイベントが多い。逆にいうと週の前半は材料難。中国の景況感などがマーケットに影響を与えるかもしれないが、やはり週末に起こった北朝鮮のミサイル発射がクローズアップされるだろう。
ついに米本土もカバーするICBMが完成したということだからだ。もはやアメリカ本土もカヤの外ではない。ドル円の下攻めを確認しながらの地政学的リスクの高まりに要注意である。
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