先週に雇用統計は良い結果に終わった。就業者数が20万人を超える増加となって、マーケットは素直にそれに反応した。為替相場ではドルの全面高となり、ドル円は111円台をつけている。
雇用データが良かったことで、FRBのシナリオに変更がないだろうという観測が強まったからだ。つまり9月のFOMCではバランスシートの縮小開始、12月には小幅な利上げというもの。
欧州時間までドル円もユーロドルもドル安方向に張り付いていた。ドル円はいかにも109円台に再突入したい感じだった。ユーロドルもあっという間に年初来の高値を抜けてきてもよさそうな状況だった。そうしたドルショートのポジションへの偏りもあったのだろうか、ドルの買われ方は速いものではなかった。
急激に高騰したというわけでもない。最近は動きの鈍い低ボラティリティな相場が続いているので、50ポイントも動いたら急変したと見えるだけだ。動かないのに目が慣れてしまっている。時間をかけてドル円は111円台にも触ったし、ユーロドルは150ポイントの下げを演じた。
ドル金利の上昇は企業コストにとっての負担である。そこで米国株は小幅な動きを強いられた。経済指標が良いのだから株価上昇に向かいたいのだが、コスト増は困るということ。その中でもダウ平均は9日連続の史上最高値の更新となっている。
今週は市場の材料となることが少ない。トランプ大統領も2週間の休みに入るので、政治的な混乱も少なくなりそうだ。何かあるとしたら北朝鮮のミサイル発射だが、これもマーケットを揺さぶることはなさそうだ。
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