昨日は早から北朝鮮のミサイル発射によって、マーケット全体はリスク回避が急がれた。グローベックスセッションで米国株も大幅安になった。ドル円は108円台の前半まで差し込んで、今年の最安値は意識される展開となった。
しかしこれまでの経過から考えても、時間が経つとともに次第に恐怖感は失われて値段は元に戻る傾向がある。だから朝のセッションはドル円の買い場であるとも考えられるわけだ。事実、東京オープンにかけては108円台の後半まで値を戻してきている。そこで次に注目されるのは海外勢の受け止め方である。
欧州序盤ではユーロドルが1.20台に乗せてきた。これはテクニカル的にももっと困難を伴うかと思われたが、ミサイル発射のどさくさにまぎれて、結構、あっさりと上抜けしてしまったのである。
私も素直にフォロー買いすることができた。抜けた以上は大きなジャンプアップを期待するが、それはマーケット次第。すでに高いところをつかんで持っているのだから、上げが止まったところでもポジションを手放したいところである。
私が1.2008で購入したユーロドルは、結果として1.2041で止めてしまった。その後に来る2番目の吹き上げである1.2070アラウンドまでは持っていられなかった。そしてユーロドルの上げにツラれる形で、ドル円はこの日の2番底を試しにいった。
このステージではドル円は108.27までであった。さすがにここのレベルでは売れない。どうせ売るならば、今年の安値である108.14を下回ったところ、108.10がついてからでも遅くはない。テクニカル的にサポートが控えているのが明瞭なので、売れないのだ。
ドル円は30ポイントほど値を戻してニューヨーク市場へシフト。ニューヨーク序盤ではトランプ大統領がようやく声明を発表。「すべての選択肢はテーブルにのっている」というもので、あまり対抗心を煽るものではなかった。立場としてはハリケーンの被害対策のほうで忙しいのだろう。
しかし挑発的なメッセージが出なかったことで、しょせんは極東での出来事だという安心感から、マーケットでのリスク意識は急速にしぼんでいった。米国株は始まりこそ大幅安を免れなかったが、その後はひたすら上昇。ニューヨーククローズに至るまでには前日比でプラス転するの及んでいる。
ドル円もそれに合わせた動きをして、109円台に乗せてくると押し目を作らずにひたすら上昇した。私は夜中には参加しなかったが、朝見たレベルの108.75とかいうのは、よくもここまで上がってきたなあと感心したものである。
今晩も経済指標よりは地政学的リスクに振り回されることが多い一日となるであろう。ドル円がこのまま110円台も回復するのかどうか。また突発的に要人発言が出たりして、108円台に逆戻りするのか。予断を持たずに構えたい。
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