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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ビットコインバブルが弾けて米ドルは底打ち!?
複数サイン点灯、確証は今晩雇用統計後!

2017年09月01日(金)17:46公開 (2017年09月01日(金)17:46更新)
陳満咲杜

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■米ドル安一服の気配、底打ちのサインも点灯!

米ドル安一服の気配が出ている。

 ジャクソンホール会議で米ドル安が一段と進み、今週火曜(8月29日)の朝、北朝鮮のミサイル発射でピークに達したが、当日反転してきた。ドルインデックスも米ドル/円も、まだ初歩的な段階にすぎないが、底打ちのサインが点灯していることは見逃せない。

ドルインデックス 4時間足
ドルインデックス 4時間足

(出所:Bloomberg)

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(出所:Bloomberg)

 実際、8月29日(火)の北朝鮮の挑発は、まったく想定されなかったサプライズではなかったものの、日本上空(と言っても宇宙空間)を通過し、事前通告なしだったのは19年ぶりの出来事でもあったので、やはり、それなりのショックをもたらした。

いつもの反応パターンである「有事の円買い」、そして、最近の反応パターンである「有事の米ドル売り」が見られたのも自然の成り行きと思われ、さらにこれが進んでいくだろうと思われた。

 ゆえに、8月29日(火)当日、米ドル/円は8月安値を再更新してから一転して大幅反騰、また、ユーロ/米ドルは高値更新してから一転陰線で引けたことが、多くの市場参加者にとってややサプライズであったのではないかと思う。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 筆者は8月29日(火)当日、ユーロの頭打ち、すなわち米ドル全体下げ一服の可能性を警戒していた。8月29日(火)18時に配信したレポートの一部は以下のような内容だった。

ユーロ/ドルは1.2関門を乗せ、ブルトレンドの一段高を示唆している。ユーロの強気一辺倒、ドル全体の弱気一辺倒を意味しているが、ドルインデックスの日足を見る限り、強気ダイバージェンスのサインが煮詰まりつつあることが分かる。

言ってみれば、年初来ドル全体の下落はすでに最終段階におり、対応してユーロ/ドルの上昇も最終段階に入っている。従って、ユーロ/ドルのオーバーボート、またRSIが示している弱気「ダイバージェンス」の築が「ホンモノ」のサインとなり、これからユーロの上値余地を限定しよう。

実際、目先の高値トライがすでに上値ターゲットを達成したか、上値ターゲットに近づいている。1.2077は目先の上限、更なる高値トライがあっても、またオーバーボートの極みで1.2160までの「行き過ぎ」も考えられるが、調整なしの直進はなかろう。いずれにせよ、強気一辺倒の目下だからこそ、頭打ちの可能性を警戒しておきたい。

 8月29日(火)当日、ユーロ/米ドルの高値は17時過ぎに付けた1.2070ドルだった。その後反落し、「塔婆」風陰線を引き、そして8月30日(水)は続落した。

ユーロ/米ドル 日足(クリックで拡大)
ユーロ/米ドル 日足

(出所:FXブロードネット)

 8月28日(月)から「宵の明星」を形成していたのは、上のチャートに示したとおりだ。RSIのダイバージェンスのサインが点灯し、やっと効いてきたといえる。

■米ドル底打ちを見込んでいた、いくつかの判断基準

 ところで、時間の制限で当日のレポートに書き尽くせなかったことも多かった。詰まるところ、オシレーター系指標のダイバージェンスのサインが煮詰まりつつあるからと言って必ず効いてくるとは限らないから、当然のように、判断の基準はそれだけではなかった。

 ユーロ/米ドルの頭打ち、すなわちドルインデックスの底打ちを見込んでいたポイントは、以下に挙げたようにいくつかあり、また、そちらの方がより重要であった。

 まず、ユーロ/米ドルのロングポジションは過大に積み上げられ、直近のCFTC(米商品先物取引委員会)統計では6年ぶりの水準に膨らんでいたこと。

 次に、ジャクソンホール会議で欧米とも金融政策に関する示唆がなかったものの、ユーロは惰性的に買われていたこと。

 最後に、地政学リスクの浮上で、行きすぎた市況が一段と増していたこと、である。

 言い換えれば、北朝鮮のミサイル発射はサプライズだったとはいえ、その効果を最大限に織り込み、行きすぎの上にさらに行きすぎていたのが当日(8月29日)の市況だったので、いったん修正される公算もかなり高かった。ドルインデックスがほぼ一本調子の下落で、一時、2016年安値を割り込んでいたことも大きなサインであった。

 ここで強調したいのはジャクソンホール会議中、また、その後の米ドル売りの進行だ。前述のように、これは理由のない惰性的な米ドル売りなので、トレンド進行の強さが示された一方、トレンドの行きすぎ、また、クライマックスに近いことを示唆するサインであった。

 よって、地政学リスクの浮上でトレンドをさらに押し進めていく市況自体がクライマックスであり、そのため偏ったポジションの利益確定につながったわけだ。

■米ドル/円は典型的な「フェイクセットアップ」のサインを点灯

 米ドル/円の状況は、ユーロ/米ドルほどではないとしても、似ていた。

 8月安値を再更新し、4月安値に接近していたから、割り込むだろうと思われたからこそ、「逆襲」が起こったわけだ。

 日足でみると、8月29日(火)の安値は4月安値に接近したものの、一転して高く大引けし、先週(8月21日~)の高値より高く大引けしていたから、典型的な「フェイクセットアップ」のサインを点灯していた。

 「フェイク」とはダマシのことで、6月安値はもちろん、8月11日(金)、18日(金)の安値に対する一時の安値更新がダマシであった以上、逆の方向(つまり上昇)へ「セットアップ」された、という解釈がプライスアクションの視点においてできるわけだ。

■底打ちしたかどうかの最終確認は雇用統計後に確認できそう

 とはいえ、冒頭で述べたように、ドルインデックスのサインも米ドル/円のサインもまだ初歩的な段階だったので、本当に底打ちしたかどうかはまだ検証しなければならない。

 米ドル/円の底打ちの条件は、昨日(8月31日)配信したレポートで説明していたので、下記の内容をご参考いただければ、ポイントを押さえられるのではないかと思う。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足
 

(出所:FXブロードネット)

一昨日の安値更新、またその後の反転は日足において「フェイクセットアップ」のサインを点灯、昨日の続伸や目先の高値トライに繋がっていることは既述の通り。もっとも、北朝鮮ミサイルの発射がもたらした安値更新、また当日の大幅反騰で形成した値幅は先週の値幅を超え、週足では「アウトサイド」のサインでも点灯しているから、現在の水準をキープしているだけで底打ちのサインとして有力視される。

一方、「フェイクセットアップ」のサインが点灯されても直ちにトレンドを修正できる、即ち本当の底打ちのサインになるとは限らない。明日の米雇用統計を控え、ブルトレンドに復帰できるポイントを探ってみたい。

結論先に申すと、16日高値110.95(B)のブレイクが重要でまた底打ちの前提条件として有力視される。根拠としてやはり6月の底打ちのパターンが参考になれるのでは。

既述のように、6月の安値更新、2回の安値打診があってその後安値の間を形成された高値(A)のブレイクをもって底打ちが確認され、またその後GMMAにおける「トビウオ」のサイン(短期線と長期線のゴールデンクロス)が形成されたわけ。

従って、同じ条件で検証してみると、今回では、一昨日の安値更新が2回目の安値トライに当たるから、ここからの切り返し、1回目の安値(8月11日)との間における最高値(16日高値)の110.95のブレイクが条件になってくると思われる。途中18日の安値更新もあったものの、16日高値を起点としたジグザグ変動の一環として扱い、一昨日の「フェイクセットアップ」のサインをもって2番目底を確認されたわけ。

まとめてみると、一昨日のサインは強烈で底打ちのサインとして蓋然性が大きいが、最後の確認条件を満たせば7月高値を起点とした反落トレンドを修正できるでしょう。また、GMMAにおける「トビウオ」の形成も16日高値のブレイクを前提条件としているから、整合性から見ても底うちの条件としてこれからブレイクの有無が重要なポイントとみる。目先の続伸に鑑み、明日の米雇用統計を待たずに試す可能性も浮上しているが、最終効果は米雇用統計後の値動きによって証明されるのでは。ドル/円の底打ちを確認できれば、上値余地が大きいから、不確実性の高い米雇用統計前の判断や行動は性急かもしれない。少なくとも押し目を確認してからのエントリーが望まれる。

■ビットコインバブルは間もなく崩壊する!?

 今晩(9月1日)の米雇用統計次第で、市況はまた波乱が起こる可能性があるが、筆者は基本的に米ドルの底打ちのサインが維持されるとみる。根拠の一部は上に開示した米ドル/円の説明に含まれているが、異なる視点でもう1つの根拠を加えたい。

 それはほかならぬ、天井知らずのビットコインをはじめとした、いわゆる暗号通貨(仮想通貨)のバブルだ。

 ビットコインなどの急激な上昇には、いろいろな背景あるが、主たるものは、やはり基軸通貨の米ドルに対する不信、また、2017年年初来の米ドル安の進行によるものではないかと思う。

ビットコイン/米ドル 週足
ビットコイン/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/米ドル 4時間足

しかし、近々ビットコインをはじめとして、暗号通貨のバブルが弾けてくると思う。

 ビットコインを例に挙げれば、今はその価値が790億ドル(約8.7兆円)まで暴騰し、これはスターバックスの時価総額と同じ規模だという。

 S&P500指数を構成する企業の87%の時価総額はビットコイン以下と言われる。いくら「明日の黄金」とはいえ、ここまでの暴騰ぶりはやはりバブルであろう。

 そして、暗号通貨のバブルが弾けるとすれば、米ドル全体が底打ちする可能性が一段と高くなってくるのではないだろうか。市況はいかに。

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