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米ドル/円の頭が重く見えても、出遅れた米ドルのロング筋にとって押し目の好機と捉えるべきか
今週(9月28日~)に入ってから二大材料が浮上してきた。1つ目は10月の日銀利上げ観測の再燃、もう1つは米政府機関閉鎖の可能性だった(実際に一部閉鎖が実施された)。ゆえに、先週(9月22日~)150円の節目手前まで回復した米ドル/円は、いったん146円台半ばまで再反落し、大型レンジの再構築につながった。

(出所:TradingView)
結論から申し上げると、目先は頭が重く見えても、米ドル売り・円買いのスタンスには転換できない。そればかりか、出遅れた米ドルのロング筋にとって、押し目の好機と捉えるべきではないか、と思われる節がある。換言すれば、冒頭で提示した二大材料は、どちらも米ドル安転換への決定打にはなれない。
日銀の2025年年内利上げに関して、そもそもマーケットは100%ではなくても、その大半を織り込んできた。10月末の会合にて利上げが決定されても、目先のトレンドに大きく影響を及ばすとは限らない。そして、米政府機関閉鎖については、言い方自体がそもそも大袈裟な上、「恒例行事」といってもいいような珍しくない騒ぎなので、為替市場への影響は総じて長く続かないものとみる。
実際、米政府機関の一部閉鎖後、米株高が続いており、米ドル売りも限定的であった。既述のように、ドルインデックスは9月17日(下のチャートの1)にいったん安値更新があったが、当日切り返し、結局「ダマシ」だったことが示唆され、その後の反騰をもたらした。そして、今回の押しが10月1日(同2)の97.13前後に留まったことも、想定より浅かったと言える。

(出所:TradingView)
投機筋の誤算が続いているが、米政府機関閉鎖でも米ドル全体が売られないなら、そろそろ本格的な清算の時期を迎えるとみる
もっとも、日米実質金利差で測るレートは140円前後で、市場レートとのダイバージェンスが一段と鮮明化しつつある。しかし、繰り返し指摘してきたように、2024年以降、米ドル/円のレートが実質金利差と乖離し、またダイバージェンスを形成してきたから、参考基準として精度がかなり低下してきた上、反応するまで一段と為替市場のレートの「歪み」(すなわち背離の拡大)が生じることが考えらえる。
その背景には、国際的な投機筋の誤算が続いていることが挙げられるということを、再度提起したい。たびたび記してきたように、4月時点において国際通貨先物市場における円買いポジションの規模が記録上最高となったものの、その後、米ドル/円は140円以下に沈まず、むしろ切り返しを果たしてきた。目先、なお円買い越しの状況であることから考えて、まだまだ本格的な解消は先だと推測できる。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は、日米の金融政策会合を終えて底堅さを再確認! 増加していた投機筋の円買いポジションは大打撃!? 円を積極的に買い仕掛ける理由は見つからず!(2025年9月19日、陳満咲杜)
投機筋が円の上昇に賭けたロジックは、言ってみれば、主に日米金融政策の相違や日米実質金利差の低下だとされる。その思惑が現時点まで外れており、米政府機関閉鎖でも米ドル全体が売られないなら、そろそろ本格的な清算の時期を迎えるのではないかとみる。
つまるところ、理論と現実の差がなかなか埋められない原因の1つは、投機筋の「理論的な判断」にあった。皮肉なことかもしれないが、投機筋なのに「理論的な行動」を取ってきたせいで、かえって足元の市場のレートを作っている。円の買い越しが完全になくなるまで、米ドル/円の切り返しが続くのではないか、と思うほどだ。
米ドル/円は、最大154円台まで上昇する可能性も。米利下げサイクル再燃でも長期金利が4%以下に沈まないのは、大きなサイン?
米10年物国債利回り(米長期金利)もいったん抵抗を受けた形で反落してきたが、9月安値の再更新自体はハードルが高いだろう。再度の安値更新なしでは、じわじわ切り返しの拡大が想定され、早晩8月高値の回復を目指すとみる。
もちろん、8月高値4.41%までの紆余曲折も十分想定されるが、米利下げサイクルの再開があっても4%以下に沈まないこと自体、大きなサインと受け止める。

(出所:TradingView)
もっとも大胆な推測では、2025年年初来、米ドル/円の下落波動が大型下落フラッグを形成しているのではないかとみる。そして、4月安値からの切り返しを、その途中のパターンの一部とみる場合、最大154円台への上昇余地も暗示される。

(出所:TradingView)
もちろん、今の段階ではその高値を想定すること自体が野暮だと筆者自身も思うが、後を追う何らかの材料によって実現される可能性がある。
その材料が何か、今わからないが、もしかしたら明日(10月4日)決定する自民党総裁の選出にかかわるかもしれない。史上初の女性首相の誕生があれば――市場はいかに。
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