■IMMでは英ポンドが2015年以来の買い越しに転換
IMM(国際通貨先物市場)では、英ポンドが買い越しに転じました。
2015年11月以来の買い越しです。ショートカバーは一巡したのでしょうが、英ポンドの上昇トレンドが始まるならここからロングが積み上がっていくことになります。
【参考記事】
●円安トレンド回帰で米ドル/円は118円へ! 続落サイン点灯!? ユーロ/英ポンドに注目(9月28日、西原宏一)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
竹内さんがツイートしてくれたように、イギリスではリーマンショック前を上回る水準まで住宅価格が上昇しています。過熱感を抑えるためにも利上げしたいところでしょう。

(出所:Bloomberg)
日本の総選挙に向けた動きも気になりますね。
アノマリー的には「選挙は買い」ですが、小池氏率いる希望の党が台風の目となっており、世論調査などで自民党の劣勢が伝えられるようなことがあれば、円買い材料となるリスクもあるでしょうか。
その可能性もあるでしょうね。大筋として自民党の勝利は動かないのではと思いますが、ヘッドラインには目を配っておきたいですね。
オーストラリアでは10月3日(火)に政策金利が発表されます。
今回の利上げ織り込みはゼロ%。12月でやっと8%ですから、利上げするとしても来年(2018年)でしょう。
■裏切られてきた「This time is different」
商品(コモディティ)も確認しておくと、金(ゴールド)は9月上旬にトップアウトして、数カ月単位で考えると下方向。
ただ、ゴールドETF市場では8月から継続的に資金流入が続いています。ETFという形で機関投資家らがポートフォリオに金を組み込む流れが続いているということは、有事への警戒や高くて買えない米国株のヘッジニーズが強いのでしょう。
短期的には天井をつけたとしても、1000ドルを割るようなことはなく中長期的には底固いのではと思います。

(出所:Bloomberg)
今年(2017年)何度も繰り返されたリスクオフで、金や米ドル/円は、少し歪んでいるように感じます。
日本の上空をミサイルが通過し、水爆実験が行なわれ、宣戦布告だと言われ、「This time is different」、つまり「今回ばかりは深刻だ、暴落だ」と警戒してもリスクオフで下げたところはすべて拾われてきた。米長期金利も2%を割らず、トランプの政策も歩みは遅いものの少しずつ進んでいます。
そう考えると、米ドル/円は、やはり上がってもいいのかなと思います。
西原さんは今週(10月2日~)の戦略をどう考えますか?
米ドル安の反転が確認されれば、米ドル/円は上値余地があるでしょうし、米ドルが買われてユーロが反落するのなら金利正常化へ向かうユーロ/英ポンドは下がりやすい。
【参考記事】
●円安トレンド回帰で米ドル/円は118円へ! 続落サイン点灯!? ユーロ/英ポンドに注目(9月28日、西原宏一)
今週(10月2日~)は、米ドル/円の押し目買い、あるいはユーロ/英ポンドの戻り売りでいいのではないでしょうか。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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