■トランプ政権が税制改革案を公表、その中身とは?
昨日、9月27日(水)のNY市場で、トランプ米政権と米共和党が「税制改革案」を予定どおり公表しました。約30年ぶりの、抜本的な改革案となります。
トランプ大統領と米共和党指導部は9月27日(水)に法人税率の引き下げや2重課税の回避などを盛り込んだ税制改革案を公表。実現すれば、かなりの減税効果が期待できる内容に。写真は就任直後、大統領令に署名するトランプ大統領 (C)Pool/Getty Images
具体的に見てみると、法人税率を現行の35%から20%に引き下げることが柱となっていますが、個人の所得税についても、現在は7段階に分類されているものを、12%、25%、35%の3区分に簡素化。その結果、最高税率が39.6%から35.0%へ引き下げられることになりました。
また、米企業のほとんどすべてが対象になる、個人事業主やパートナーシップなどのパススルー企業に対しては、税率を25%に設定しました。現状では、パススルー企業に対して39.6%の税率が課せられているわけで、かなりの減税効果が期待できるものとなりました。
また、海外での配当などに対して、原則、2重課税を回避することも盛り込まれています。
■時間外で米長期金利が異常なほど上昇
市場では、事前に詳細が報じられていたこともあって、いったんは利食いの米ドル売りや米国株の下落という反応となりましたが、米長期金利の上昇などを受けて、結果的にはどちらも買い戻されて引けました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 30分足)
(出所:Bloomberg)
そして、本日9月28日(木)のアジア市場で、米10年債利回りはなんと、2.355%まで、さらに上昇しました。
米国債はアジア時間でも時間外の取引が行われていることから、米長期金利には何らかの動きはあるものの、通常では1BP(ベーシスポイント)となる0.01%も利回りが動けば、市場では「大きな動き」と認識されるところです。
それが、本日は、4BP(0.04%)を超える、異常ともいえる大幅な上昇となりました。
(出所:Bloomberg)
市場の関係者から話を聞いてみましたが、「米系の短期ファンドなどが米国債を売り続けている」ことによるものだったようです。
【参考記事】
●ドル/円、下がらないけど上がりもしない理由は? ユーロのカギ握るECBに注目!(9月7日、今井雅人)
NY時間に入ってから取引すればいいところを、こうやって…
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