■ドルインデックスは日足で「三尊底」が形成されつつある
実際、ドルインデックスの日足を見る限り、いわゆる「三尊底(※)」(ヘッド&ショルダーズ・ボトム)のパターンが形成されつつあることがわかる。底打ちのパターンとしてもっとも有力なので、成功すればこれからの米ドル高をもたらすだろう。
(※編集部注:「三尊底」とはチャートのパターンの1つで、大底を示す典型的な形とされている。「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」とも呼ばれる。また、「三尊底」の逆で、天井を示す典型的な形が「三尊型」(ヘッド&ショルダーズ))
(出所:Bloomberg)
■ユーロ/米ドルは二重に「三尊型」を形成中
対照的に、ユーロ/米ドルの1.1669ドル(10月6日)の打診、また同安値からの切り返しもそれぞれ「規則正しかった」とみる。
10月6日(金)の安値打診は、先日形成された「三尊型」(※1)が示すとおりの動きだったと見られる。そして、昨日(10月12日)までの切り返しは、8月初頭から形成してきた、より大きい「三尊型」(※2)の一部と見なすことができる。
(※1 執筆者注:この「三尊型」は、以下のチャート上に黄色の丸を3つ描いて示した)
(※2 執筆者注:この「三尊型」は、以下のチャート上に緑の丸を描いて示した)
(出所:FXブロードネット)
昨日(10月12日)の高値は先日の「三尊型」のネックラインの延長線を再度トライしていただけに、ここからの戻り余地が限られれば、前述の大型「三尊型」構築の可能性も一段と高まるだろう。
■米ドル/円の「ダマシ」のサインが有効かは微妙なところ
米ドル/円に関しては、10月6日(金)の高値更新、また、当日一転して安く大引けした日足自体が「フェイクセットアップ」、つまり、「ダマシ」のサインを点灯した。これが大幅反落をもたらしてもおかしくなかったが、目先なお112円台に留まり、このサインが効いてくるかどうかは微妙だ。
(出所:FXブロードネット)
仮に効ききれない場合、10月6日(金)日足のサインに関する解釈がまったく違うものになるから、注意が必要だ。このあたりはまた、市況の進展に合わせて説明したいと思う。
■ユーロ/円は上昇の可能性が高い
米ドル/円よりユーロ/円の市況は明白であろう。
円安トレンドはクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)がリードし、また、クロス円の中でもユーロ/円がリードしてきた経緯に照らして考えると、ユーロ/円の市況は示唆に富む。具体的なヒントは筆者の10月11日(水)のレポートを見れば、おわかりいただけるかと思う。本文は以下のとおり。
ユーロ/円は131後半のサポートを維持したことで続伸の条件を揃えつつある。GMMAにおける長期移動平均線のサポートの確認と合致するが、プライスアクションのサインとの整合性も示唆されている。
9月26日罫線が示した「スパイクロー」のサイン、同日安値の維持のみではなく、8月2日から引けれてきた元抵抗ラインが支持ラインと化していたことを証左していた。もっとも、同ラインは8月18日安値を「ヘッド」とした「三尊底」というフォーメーションのネックラインとして機能していたから、同延長線がサポートになること自体、押し(反落)の一服を示す。
更に、直近の安値は5日にて確認されたが、9月26日の「スパイクロー」を下回らず、また同日から9日まで形成された「インサイド」のサインが上放れを果たしたことで、目先のレジスタンスゾーンに当たる133.15~133.50を再トライする機運を高める。続伸の条件、同抵抗ゾーンのブレイクを挙げられるが、前記諸サインの整合性に鑑み、ブルシナリオの蓋然性が高いとみる。
前述のように、ユーロ/円は円安トレンドをリードしているから、これから英ポンド/円、豪ドル/円も追随してくるだろう。このあたりの分析はまた次回、市況は如何に。
(13:00執筆)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)