■米雇用者数の減少、ハリケーンによるイレギュラー
10月6日(金)に発表された9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が、なんと3.3万人の減少と、予想8.0万人の増加を大きく下回る弱い数字となりました。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移)
もともと市場予想自体が、ハリケーン「ハービー」や「イルマ」の影響を考えた上での低めの数字だったわけですが、その数字をはるかに下回る結果となりました。
ただ、非農業部門雇用者数の内訳を見てみると、レジャー産業や、出勤時間をベースに給料が支払われるレストランやバー従業員などの雇用者数が10万人以上も減少しており、一部の業種でハリケーンの影響が偏って出てしまったことがわかります。
非農業部門雇用者数の全体としての数字は衝撃的な結果でしたが、「あくまでもハリケーンの一時的な影響」としての認識を強めており、むしろ、同時に公表された平均時給が前月比+0.5%と、予想の+0.3%を大幅に上回る強い数字となったことに市場は反応。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間)
米10年債利回りも一時、2.4%台まで急上昇することになりました。
(出所:Bloomberg)
【参考記事】
●市場は次のテーマ待ち。でも、米ドル/円が中長期的に上昇すると考える理由とは?(10月10日、バカラ村)
●今晩の米雇用統計は悲観しなくてよい!? よって、米ドル/円は75%の確率で上昇!?(10月6日、陳満咲杜)
■北朝鮮による挑発リスクには依然、警戒が必要
ただ、前回のコラムでも懸念をお伝えしたとおり、「北朝鮮」による挑発リスクは依然として高いです。
【参考記事】
●11月のトランプ米大統領来日時は要注意!? 2度跳ね返された114円台で、ドル/円利食い(10月5日、今井雅人)
10月6日(金)も、米雇用統計後に米ドルが全面高となるなか、帰国したロシアの議員訪朝団から、「北朝鮮では米国の西海岸に到達可能なミサイルの発射用意が整っている。すぐにも発射できる」との見解が伝わりました。
また、今週(10月9日~)に入っても、10日(火)の朝鮮労働党創建72周年記念日に向けて、「何らかの行動があるかもしれない」との思惑が相場に暗い影を落としました。
幸いにも、具体的な挑発行為は確認されませんでしたが、「スカッドミサイルが移動している」などの状況も報じられており、依然として予断は許されないでしょう。
【参考記事】
●今週は北朝鮮情勢に絡むリスクに警戒! でも、無風で通過すれば米ドル買い再開か(10月9日、西原宏一&大橋ひろこ)
為替相場ですが、米ドル/円は10月6日(金)の米雇用統計後に…
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