昨日はECBの金利会合の日だった。従前からドラギ総裁が10月に決めると言っていたので、QEの縮小くらいはあると考えるのが一般的である。またマーケットもそれを織り込みに行っていた。
ユーロ高も一時ほどの勢いはなくなったものの、依然としてハイレベルをキープしたままだ。後はどのくらいまでテイパリングについて踏み込んだ内容になるのか、それもマイルドなものに変えて表現するのか。そうした文言の現れ方に市場の関心は集まった。
内容としてはハト派的なものとなった。欧州株が歴史的な高水準であるにも関わらず、相変わらず急がずを堅持している。年内はそのままで、来年から資産購入を半分にする。償還された分の資産は再投資に回すなど、非常にマーケットに気を配った表現である。
またドラギ総裁は会見で「テイパリングではない」とまでご丁寧につけくわえている。あまりにも緩和縮小に消極的なスタンスだと映ったのか、急速にユーロ金利の先高観はなくなっていった。
ユーロドルを中心にユーロは全面安の展開となった。それまでユーロ買いのポジションを積み上げていたファンド勢らのポジション調整もある。ユーロ買いに傾けないといけないほどのことはないなという解釈が勝ったのであろう。ユーロドルは200ポイント弱の下落となったが、ニューヨーク時間はただ下げっぱなしとなった。
しかしそれまでの市場のコンセンサスと違っているから、こうも一方的な動きになったのだろう。もっと激しいテイパリングを期待していたものか。今日になってもユーロ売りの流れは止まらず、アジア時間の午前ですでにユーロドルは前日の安値を下回ってきている。
このユーロ安要因は消化しつくすまでにも、いままだ時間がかかりそうだ。ということは1.13台や1.10台割れまで下がってしまっても不思議ではないということだ。
今晩の注目はアメリカのGDPだ。しかしすでに企業決算などで米国株はバリュー的にもかなり高い位置に来ているので、GDPの結果が良くてもリスク相場で反応はしづらいだろう。
事前の予想はプラス2.5%だが、これを下回ったときにドル円かユーロ円を売り込んでみる。数字が出てからでは間に合わないかもしれないので、ちょっと下サイドに売りのストップ注文を置いておくのでもよいかもしれない。ストップメーキングである。
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