昨日のアジア時間ではドル円は111円台の前半。その前日に110円台への下値突っ込みから跳ね返された直後なので、110円台には買いたい人々のビッドが集まってきているようだ。ドル円のショートでは攻めたいものの、反発過程にある相場に逆張りするのは気持ちが乗らないものだ。
欧州時間ではおおむねドル円が堅調。FRBのパウエル理事の発言を期待してのリスクテークがやや進んだ。パウエル理事は先日に内容をしゃべってしまっているのだが、それでも期待が集まっている。米国株がストロングに始まったので、ドル円は111.40あたりまで値を上げてきた。
いつもならばニューヨークオープンだけ見て寝入ってしまうのだが、昨日は夜中に目が覚めてしまった。夜の3時くらいである。出てきた経済指標を確かめると、どれも好景気を裏付けるものばかりだった。それで米国株も歴史的な最高値ゾーンにいた。
リスク許容度が増大している割には、ドル円は111.20から111.40までの狭いレンジをウロウロしている。もうちょっと上がってもよさそうなのに、というのが私の思いだった。そんな時に北朝鮮のミサイル発射が出てきた。
ずっと発射の兆候があるといわれてきていたが、久しぶりの発射である。しかしマーケットは崩れなかった。もうすでに地政学的リスクの高まりは押し目で買いだというパターンが続いているので、リスクオフとなったのはほんの15分くらいだけであって、すぐに元のレベルに値を戻してきた。それどころか、ドル円はそれまでの日中の高値をも抜けてきたのである。
税制改革案が上院の予算委で通過したので、米国株は大幅高となった。このため北朝鮮問題はまったく無視される格好となった。パウエル理事のコメント内容は事前の公表分と同じで、地銀が対象の規制緩和も説かれた。
今日になっても見ることのできたドル円の111.60レベルを高いとみるか、安いとみるか。私のようなベア派ならば、こんなに戻ったと感じるだろう。しかしもっと上を見ているブル派は、戻ってもまだ111円台かと失望していることだろう。
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