昨日は一日を通じてもドル円は113円台の中盤を外れることなく、値幅も狭いものだった。確かに減税法案の審議が進展したわけでもなく、北朝鮮問題も前進していない。むしろアラバマ州の補欠選のほうが気がかりになっているようだ。
これはセクハラ疑惑のある候補をトランプ大統領が支持したからだが、政権の訴追の危険とかはとうに忘れ去られた感のある状況となっている。フリン氏やコミー氏のことはずいぶん昔のように思えてならない。
海外市場では何のイベントもないので、ますます動かない。先週末に出た雇用統計はFEDの金融政策に影響を与えないということで、もう議論の対象にもなっていない。ニューヨーク序盤でマンハッタンで爆弾テロが起こったが、これもリスク回避を誘うほどでもなかった。
瞬間的に米国債など安全資産は買われはしたが、上げても小幅。しかもすぐに値は元のレベルに戻ってきて、市場に完全に吸収された。その後は米国株も堅調に推移し、終値ベースでは歴史的な最高値を更新。何事もなかったようにふるまっている。
昨日はCBOEにビットコインが上場された。思ったほど活発な取引ではなかったようだ。やはり来週からのCMEでのトレード開始を待つべきなのであろう。CMEの為替セクションはIMMという。
今となってはピットがなくなっているので人間の姿は見えないが、グローベックスのなかで通貨の先物はアクティブに取引されている。通貨先物の本場といってもよい。17000ドル台まで上がってきたBTCがCME上場とともにどう動くのか。直接ビットコインに関係のない人でも興味をそそられるイベントである。
昨日はビットコインに関する別のデータも出てきて、ビットコインの取引の半分は日本人がやっているというものだ。前までウワサされていた中国人がたくさんやっているということはなかったのである。
いかにも人民元から仮想通貨への逃避というもっともらしいシナリオが描かれていたが、実際は日本人だけだったという状態。中身がわかってしまえば現在続いている高値追いはかなり怪しいものとなる。それはまわりまわってリアルの世界でのリスク許容度の減退につながるのかどうか、それだけが注意点である。
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