■クロス円が堅調に推移している理由とは?
米ドル安の市況が続いている。一方、主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は堅調な値動きを保ち、英ポンド/円は高値を更新した。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
前回(1月12日)のコラムで指摘した「主要クロス円の多くは押し目買いのタイミング」が先週(2017年1月8日~)後半にあったから、米ドル/円の下落はあっても、円高の市況とは言い切れない。
【参考記事】
●米長期金利上昇でサプライズのドル安に。「日銀騒動」はポジション調整の口実か(2017年1月12日、陳満咲杜)
もっとも、主要クロスが上昇するロジックはシンプルだ。米ドル安の受け皿の役割を、主に円以外の主要通貨が果たせば、該当通貨の円に対するレートが上昇していくしくみである。
要するに、米ドル/円の下落があったものの、ユーロや英ポンドなどの主要通貨は対米ドルの上昇がより強かったので、ユーロ/円、英ポンド/円などクロス円の上昇は自然の成り行きであったわけだ。
■テクニカル上のサインからも、押し目買いのタイミングだった
先週1月11日(木)、12日(金)あたりがクロス円の押し目を拾うタイミングであったことについて、テクニカル上の示唆も多かった。高値更新している英ポンド/円はその代表格なので、1月9日(火)のレポートをもって説明したい。本文は以下のとおり。
(出所:FXブロードネット)
ポンド/円はドル/円の急落につられた形で急落してきた。日銀政策変動に関する思惑がなおくすぶるが、思惑先行ですでに織り込まれ、また反落波の行き過ぎが見られたので、ここからは反転してくるでしょう。
注目していただきたいのは、まず昨年11月28日の大陽線、「フェイクセットアップ」のサインを点灯してから上昇トレンドを維持、また昨年12月8日高値をブレイクしたことで昨年9月高値から形成されてきた大型変動レンジの上限の突破を意味し、上値余地を暗示していたこと。
従って、ここから昨年12月15日の「フォールス・ブレイクアウト」のサインを否定(同日安値を大きく下回る)しない限り、ブルトレンドが維持され、目先の急落があってもなお許容範囲であろう。実際、パターンの繰り返しを想定する場合、昨年12月15日と同様、GMMAにおける長期線グループの支持が確認した形でブルトレンドへ復帰、または15日自体のように、一時6日安値を割りこんでから切り返す、といった値動きが想定される。この意味では、仮に一時149円台前半の打診があっても、忽ちベアトレンドへ転換するといった判断が性急であろう。
そもそも昨年11月末の安値再打診や同28日の「フェイクセットアップ」はおなじ性質を持ち、大型レンジ変動がすでに一旦上放れを果たした以上、途中の反落はあくまでスピード調整と見做すべきであろう。・・・総じて下値余地限定、また下値打診があれば押し目好機
とみるべきであろう。大型レンジが上放れした後の「倍返し」、まだまだ大きい上値余地を示唆している以上、押し目買いのスタンスで臨みたい。
執筆中の現時点の英ポンド/円チャートは次のとおり…
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