■ユーロの影響が大きかった1週間
ここ1週間は、ユーロ相場が市場全体に大きな影響を与えた週となりました。
まず、1月11日(木)に公表された、昨年(2017年)12月14日(木)に開催されたECB(欧州中央銀行)理事会の議事録に、「金融政策や政策方針のさまざまな次元に関わる文章(ガイダンス)について、2018年初めに再検討を加える可能性がある」という指摘があったことが明らかになりました。
これを受けて、金融市場では、金融政策引き締めへの早期転換の可能性が高まったとの見方が広がり、ユーロの上昇が始まりました。
その後、12日(金)に「ドイツの社会民主党(SPD)がメルケル独首相と連立協議開始で暫定合意した」との報道を受けて、さらにユーロは上昇。
【参考記事】
●ECB議事録と独連立暫定合意でユーロ上昇! ドル売り継続も、IMMのユーロロングに注意(1月15日、西原宏一&大橋ひろこ)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 4時間足)
ユーロ/米ドルは、1.19ドル台前半から1.23ドル台前半まで、400pipsほど急騰しました。17日(水)のアジア時間では、一時1.23233ドルまで値を上げています。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルはまだまだ上昇!?ターゲットは短期的には1.265ドル、ゆくゆくは1.31ドル台!(1月17日、松田哲)
●ユーロ/米ドルに1.26ドルまでの上昇余地! 米ドル/円は季節的に上値が重い時期!?(1月16日、バカラ村)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
■ECB、1月は政策ガイダンスの変更を実施せず!?
その後は、ECBのコンスタンシオ副総裁をはじめとする、当局者からの相次ぐユーロ高けん制発言を受けて、ユーロは反落しています。
副総裁は新聞社のインタビューで、最近のユーロ高について問われ、「ファンダメンタルズの動向を反映しない急激な動きについては懸念している」と答えました。また、「ファンダメンタルズを見るとインフレ率は2017年12月に若干低下した。拙速な行動で成長の息の根を止めてはならない」とも発言しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
ECBは、1月25日(木)の定例理事会において金融政策を決めますが、副総裁の発言を見る限り、その場では政策ガイダンス変更の可能性がほぼないことを示唆しているとの見方が広がり、ユーロは急落しました。
ユーロ/米ドル急騰の動きにつられて、米ドル/円でも…
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