■海外のファンド勢が米ドルを売り仕掛け
先週(1月8日~)から、米ドル安の動きが出てきています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
10日(水)に、中国が米国債購入の見直しを検討しているという報道が流れました。ただ、これは翌日11日(木)に、中国政府から否定されました。
否定されましたが、米国の貿易不均衡問題に関して、中国がけん制を始めた、というように捉えられており、海外のファンド勢が米ドル売りを仕掛けてきています。
【参考記事】
●米金利上昇でも米ドル安になった理由は? 出鼻をくじかれ、しばらく後遺症が残る!?(1月11日、今井雅人)
■ユーロ/米ドルは1.26ドルまでの上昇も!?
ユーロ/米ドルは、ユーロ圏の最近の経済指標が良かったこともありましたが、1月11日(木)に公表されたECB(欧州中央銀行)理事会の議事要旨で、今年(2018年)の早い時期にガイダンスの変更を検討している、とタカ派な内容が出て、さらに長期のレジスタンスも越えたことで、ユーロ買い・米ドル売りで上昇に拍車がかかっています。
【参考記事】
●ECB議事録と独連立暫定合意でユーロ上昇! ドル売り継続も、IMMのユーロロングに注意(1月15日、西原宏一&大橋ひろこ)
以下は、ユーロ/米ドルの週足です。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
ユーロ/米ドルは、テクニカル的にも強い形を維持しています。
昨年(2017年)末に下降トレンドラインを上抜けてきましたが、その下降トレンドラインが先週(1月8日~)は1.1900ドル付近で推移しており、それに支えられて上昇を始めています。
また、21日移動平均線(※)も、そのあたりで推移していました。
(※編集部注:ユーロ/米ドルの21日移動平均線は、1月16日(火)時点で1.1991ドル付近まで上昇している)
(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドルは、今年(2018年)は上昇するという予想が多かったですが、すでに上昇が始まっており、まずは1.24ドルが目先のメドとなり、その上は1.26ドルまでの上昇も期待できそうです。
(出所:Bloomberg)
■米ドル/円はまだ上値の重い展開が続きそう…
1月9日(火)には、日銀が超長期債の買いオペを減らしたことが話題となって円高に推移しましたが、米ドル安の動きもあり、米ドル/円は2017年11月27日(月)の安値110.84円も下抜けて、15日(月)には110.33円まで下がりました。
【参考記事】
●米長期金利上昇でサプライズのドル安に。「日銀騒動」はポジション調整の口実か(1月12日、陳満咲杜)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
季節性を考えると、米ドル/円は2月以降から夏場にかけては上昇しやすいですが、2月までは下がりやすいため、まだ上値の重い展開が続きそうです。
【参考記事】
●“小動きの翌年の法則”を考えると2018年の米ドル/円は16%変動! 101円まで下落か!?(2017年12月26日、バカラ村)
●米ドル/円、株や米長期金利の上昇に追随できず…。111円割れなら107円台も視野!(1月11日、西原宏一)
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