■カギを握っていたのはポジション動向
その背景として1番に挙げられるのは、やはり、ポジション動向です。
IMM(国際通貨先物市場)における、通貨先物のポジション状況を見ればわかるように、今年(2018年)の初めごろは、米ドル/円の投機筋の買い持ち(=ロング)、つまり、米ドルに対する円の売り越しポジションが、かなり積み上がっていました。
ところが、3月の中旬ごろから、急速に米ドルのロング(円の売り越し)が減ってきました。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
その辺りが、米ドル/円での米ドルの底となっています。
(出所:Bloomberg)
直近、4月17日(火)時点の数字では、逆に、米ドル/円の売り持ち(=ショート)の方が、若干ではありますが、上回っている(米ドルに対して円が買い越し)状態です。
そして、それ以降、米国の長期金利の上昇に、米ドル高という反応をし始めています。
結局、市場のポジション動向によって、同じ材料に対しても違う反応をしてしまうということでしょう。
■米ドル/円は、110円が1つの節目に!?
現在の米ドル/円の値動きを見ていると、かなり底堅い動きを見せているので、まだ、堅調な流れは続くでしょう。
しかし、110.00円というのは、1つの節目になるのではないかと考えていています。
(出所:Bloomberg)
米国との通商交渉の件は、4月17日(火)~18日(水)の日米首脳会談でも話し合われたように、茂木経済再生担当相とライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表が窓口となって交渉を始める予定ではありますが、当面、先送りになっており、しばらくは市場の材料にはなりにくいです。
【参考記事】
●通商問題の影響が出るのはもう少しあと!? 米ドル/円は108円に届かず狭いレンジか(4月19日、今井雅人)
●米ドル/円はレンジ上限をトライする動きか。ユーロ/米ドルはもみ合い抜けて1.20割れも!?(4月24日、バカラ村)
しかし、今後の交渉は、難航が予想されます。いつ、これが材料視されて相場が動き出すかもしれません。そのことは、常に念頭に置いておく必要があるでしょう。
■南北朝鮮首脳会談の行方にも注目!
最後に、明日、4月27日(金)に、南北朝鮮首脳会談が開催されます。
ここで、融和姿勢がより鮮明に示されると、株式市場が好感して、上昇する可能性は十分あるでしょう。
(出所:Bloomberg)
その行方にも、十分に注目をしておきたいと思います。
※【お知らせ】来週5月3日(木)の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」は、休載させていただきます。何卒ご了承ください。
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