■バフェット氏がアップル株を大人買い
先週末、5月4日(金)の米雇用統計では失業率が17年ぶりの低水準に下落する一方、NFP(非農業部門雇用者数)、平均時給が予想よりもやや弱い数字に。
この結果を受けて米国株は買い戻され、アップル株は上場来高値を更新しました。

(出所:Bloomberg)

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iPhone Xの不振で業績悪化が懸念されていたアップルの決算ですが、予想を上回る数字になりました。
それだけでも驚きですが、1000億ドル(約10兆9000億円)もの自社株買いを発表したことがサプライズとなりました。
ウォーレン・バフェット氏が1月から3月にかけてアップル株を買い増して、第3位株主になったことも好感されたようですね。
バフェット氏の件に加えて、1000億ドルの自社株買いとなるとさすがに大きく下げることは想定しにくいし、アップルの背後にある部品メーカーなども持ち直してくるのかもしれませんね。
■「高値波乱」の続くNYダウ、200日線割れも間近に
でもバフェット氏だって神様ではないですし、このタイミングでのアップル株買い増しが成功するでしょうか……。
NYダウのチャートも典型的な「高値波乱」(高値圏での乱高下。下落へのシグナルとされる)ですし、200日移動平均線がかろうじてサポートしている形です。

(出所:Bloomberg)
今年(2018年)の米国株はボラティリティが高いですね。5月3日(木)も350ドル安かと思ったら結局は陽線に。
今年(2018年)はやはりボラティリティが高いんだなと、改めて認識させられました。
■アルゼンチンが8日間で3回の利上げを実施
気になるのは新興国。アルゼンチンは5月4日(金)に緊急利上げを行ないました。8日間で3回目となる利上げで政策金利は40%へ……。

(出所:Bloomberg)
それでもアルゼンチンペソの下落は止まりません。
また、4月に利上げを実施したトルコリラも下げ止まりません。新興国通貨から米ドルへの資金還流が強まっているのかもしれませんね。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
■新興国通貨に「バーナンキショック」の再来も!?
米金利が上昇してくると、新興国通貨はとくに打撃が大きい。先週(4月30日~)、5月4日(金)の米雇用統計も悪くない数字で6月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ織り込み度は90%台とほぼ確実な情勢です。その影響が出ているのでしょう。
1997年のアジア通貨危機から始まり、翌年(1998年)のロシア危機、LTCMショックへとつながった一連の相場と現在の相似を指摘する人も出てくるかもしれませんね。
今はまだそこまでとは思いませんが、思い浮かぶのは2013年のバーナンキショック。
バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長(当時)が金融緩和の縮小を示唆したことで、株価や新興国通貨が急落しました。
通貨防衛のため新興国の中央銀行は利上げで対抗しましたが、効果はありませんでした。同じような動きが今年(2018年)、起こらないとも限りません。
(次ページでは武田とシャイアーのM&Aや今後の戦略の話題が…)
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