■QE終了へ向けて動くECB
特にバイトマンの「年内の債券買い入れ終了を見込む市場の期待は妥当だ」との発言は強烈。これだけのことを言うのなら、QE(量的緩和)終了へ向けた何らかの示唆が出るのでしょう。
FOMCはセル・ザ・ファクトで米ドル売り、ECBはQE終了へ向けてユーロ高――。そうすると、ユーロ/米ドルは上目線ですか?
テクニカルには売られ過ぎのシグナルも出ており、大きく下がる可能性は少ないと見ています。
ファンダメンタルズを確認すると、先々週(5月28日~)はイタリアの政局混迷から「ユーロ≒イタリアリラ」として売られ、先週(6月4日~)はテーパリング(※)期待から「ユーロ≒ドイツマルク」として買われて…と、右往左往しました。
しかし、こうした場合は、往々にして金融政策の影響が勝る。1.20ドル方向へ向けて底堅くなっていくのでしょう。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
【参考記事】
●イタリア政局混迷でユーロ/円は120円へ下げ足を速める展開! ドル/円も続落中!(6月11日、西原宏一)

(出所:Bloomberg)
■日銀会合、注目は次回7月か
6月15日(金)は日銀の政策決定会合ですが、今回はノーマーク。
報道によれば「6月と7月の金融政策決定会合で、物価の動向を集中的に点検」するそうなので、何か動きがあるとすれば次回、7月でしょう。
6月15日(金)は、米国政府において、知的財産権侵害に対する対中制裁関税の公表期限でもあります。市場が反応するとすれば、こちらかもしれませんね。
今週(6月11日~)はイベントが多く、事前に予想して動くのが難しい。通貨を絞って見ていかないと振り回されやすくなります。
ボラティリティの高まりに気をつけていきましょう。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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