フェイスブックが失望ものの決算発表をして、その結果として昨日の米国株はハイテク中心に下げのきつい状態が続いた。当のフェイスブックは決算発表直後に時間外取引で10%の急落を演じたが、ニューヨーク時間のコアタイムになっても値を戻すことはなく、最終的には20%下落まで迫った。
確かに個人情報の漏洩問題などもあったりして個別の悪材料はかさんだ四半期ではあったが、それでもそれはプライスの中に織り込まれていたはずであった。知らなかったわけではない。むしろ失望を誘ったのは、将来の稼ぐビジネスプランであろう。本当に広告収入は伸びるのか。中国をはじめ、ネットワークの参加者を増やしていけるのか。
ドル円も朝からゆるい。アジア時間では110.60あたりまで安値攻めをした。あまり注目されていなかったが、ECBではどちらかというと金融緩和の継続の方が強調された格好となって、ユーロドルが下がった。
ドル高に歩調を合わせる感じで、ドル円も111円台を回復。ナスダック指数と違って、昨日のニューヨーク時間ではダウ平均やS&Pは比較的に堅調な動きを示したからだ。ドル金利は上昇するには至らなかったが、今年の最高水準の場所でステイしている。だからドル買いしていくだけの素地はあったといえよう。
米国株が全体的にはあまり下がらなかったのは、フェイスブックは固有の悪材料だからという理由で、全体には影響を与えないだろうという虫のよい解釈が優先されたからである。そして今朝にはアマゾンの決算発表があったが、これは予想を大きく上回る好決算であった。
こちらの方は全体に好影響を与えると解釈されそうである。つまりいいとこ取りしかしないということ。市場でついている株価の価値には、ますます割高感が強まってきており、それを解消するための契機の一つが今夜のGDP統計になるのかもしれない。
GDPはこれまで市場で騒がれてきた。トランプ政権が法人減税をしたことで、それがどのくらい企業収益に貢献して、その結果としてGDPにも相当の影響が及ぶだろうと考えられるからである。また憶測を呼ぶように、トランプ大統領もGDPの数字の大きいことをほのめかしたりしている。彼が言うとおりにプラス4.8%とまでは行かないとしても、4%台の数字が出れば久しぶりの快挙である。
普通ならばそれでドル買いでついて行きたいところなのだが、そうした味方も織り込んで現状の同相場の水準があることを考え合わせると、早計にドルロングでついて行くことは危険だろう。むしろドルの上値がどこまでなのかを慎重に見極めることのほうが重要である。
当初のドル高でのステージでは、儲けを取り損なってもいいだろう。1日たってから、じっくりと相場の動きを振り返ってから、為替のポジションを組んでいってもいいのではないかと考えている。
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