■イケダハヤト氏がトルコリラに売り参戦!
トルコリラが下落を続けていた8月8日(水)、イケダハヤト(通称:イケハヤ)氏が「トルコリラに売り参戦」というニュースが飛び込んできた。筆者がそれを知ったのは、ザイFX!でいつも記事を書いてもらっているライターの高城泰さんのツイートでだった。
イケダハヤトさんが話題のトルコリラを売りで参戦。ビットコインではトレンド初動での参戦でしたが、トルコはすでにかなり落ちています
— 高城泰 (@takagifx) 2018年8月8日
ちなみにビットコイン参戦時にはザイFX!編集長(@Neko_Iguchi )との「靴磨き論争」(https://t.co/TOxJUb48VR)も。イケハヤさんのトルコ売り、注目です pic.twitter.com/JtephXxdTt
このニュースを見て、何人もの人から筆者は「また、『イケハヤは靴磨きの少年だ』って書かないんですか?」と聞かれたのである。イケダハヤト氏が売ってくるなら、そろそろトルコリラも大底ではないか、というのだ。そこにはもしかしたら、「トルコリラの買いポジションを持っていて含み損が拡大しているので、『イケハヤは逆指標』と言ってほしい」といった願望も含まれていたのかもしれない。
筆者はかつてビットコイン相場について、イケダハヤト氏が買ってくるならもう天井なのでは?といった趣旨の記事を書いたことがあったのだが、それ以上にビットコイン相場が上昇してしまったため、イケダハヤト氏から
「イケハヤを『靴磨きの少年』呼ばわりした『ザイFX!』の井口稔編集長、息してる~?」
と書かれてしまった過去がある。
【参考記事】
●急上昇していたビットコインが大暴落! イケダハヤト氏が買ったところがド天井!?
●熱狂のビットコイン相場。イケダハヤト氏は再び「靴磨きの少年」となるのか?

さて、「イケハヤがトルコリラに売り参戦」というニュースを受け、筆者はイケダハヤト氏のブログを見にいったのだが…。その内容を見ると、イケダハヤト氏はどうも証拠金3万円でトルコリラ/円を1万通貨だけ売ったようだった。さらに「少額で遊ぶのを強くおすすめします」ともイケダハヤト氏は書いていた。あの高名なイケダハヤト氏が証拠金わずか3万円……イケハヤさん、全然本気出してない、本気出してないよ!
イケダハヤト氏が本気を出していない以上、これをもって大底フラグととらえるのはムリだろうと筆者は考えた。それで、イケハヤネタの記事をその時点では書かなかったのである。
■自分こそ靴磨きの少年になってしまうかも!?
そして迎えた8月10日(金)、みなさんご存じのとおり、トルコリラには“暴落”という表現がふさわしい、非常に激しい下落が訪れたのだった。
【参考記事】
●トルコリラ/円が一時、16円台まで暴落! トルコリラ急落の震源地はユーロか!?

(出所:Bloomberg)
このとき、これならトレード下手な筆者でも、さすがに売れば儲かるのでは?……そんな考えが脳裏に浮かんだ。
自分こそ靴磨きの少年になってしまうかも!?というリスクを感じつつも、トルコリラを売ってみると、思ったとおり、相場はすいすい下がっていった。
■トルコリラは流動性低下に注意。とくに「犠牲祭」の週
──ここからは、筆者の経験を少し交えながら、トルコリラを短期トレードするなら、どのFX口座が良さそうか、ということをお伝えしていきたいのだが、その本論に入る前に注意点がある。
トルコリラを取り扱っている各FX会社はトルコリラの取引について、軒並み注意喚起のお知らせを出している。流動性が低下し、急激な相場変動が起きたり、スプレッドが拡大したり、取引がしづらい状況に陥ることも考えられると注意喚起しているのである。
とくに8月20日(月)からの週のトルコは、8月20日(月)が犠牲祭(※)前夜という祝日、8月21日(火)~8月24日(金)が犠牲祭という祝日になっており、流動性が一段と低下することが予想されるという。
(※「犠牲祭」とはすごいネーミングだが、これはイスラム教で定められた宗教的な祝日。トルコリラ買いでやられた人の魂を鎮める祭ではない)

ザイFX!でおなじみの元為替ディーラー・西原宏一さんは大橋ひろこさんとの8月13日(月)に公開した対談記事のなかで、以下のように話していた。

【参考記事】
●トランプ砲がトルコショックに追い打ち! 米国株が崩れると、リスクオフ加速も…!?(西原宏一&大橋ひろこ)
トルコリラは言うまでもなく、マイナーな新興国通貨。米ドル/円などのメジャーな通貨ペアと同じようにいつでも不自由なく取引できると考えてはいけない。トルコリラのような通貨はまったく取引しないというスタンスも賢明かもしれない。
しかし、それでも…。収益を上げるいいチャンスがあったら取引してみたい!という方々のために本記事は作成した。けれど、仮に取引するにしても、トルコリラ/円で大きなポジションを取るのは考えものだと筆者は思う。仮にトレードするとしても、少額に止めることをおすすめする。
■想定どおりに相場が下がっても含み損のままだったワケ
前置きが長くなったが、要するに8月10日(金)、筆者はあるFX口座でトルコリラ/円を売ってみたのだった。すると、想定したとおり、相場は順調に下がっていったのだが、ある程度、相場が下がっても筆者のポジションは含み損を抱えたままだったのである。
なんでだろう?と思って、よく見てみると、スプレッドが20銭以上にも拡大していたのだった。チャートを見て何となく思っていたよりも、だいぶ不利なレートで筆者は売りポジションを建てていたのだ。
日本のFX会社は「原則固定制」のスプレッドが主流だ。原則固定ということはその原則を外れることもある、ということになる。「原則固定」と書いてあるのに、さらに「原則固定(例外あり)」と「例外あり」という文言がつけ加わっていることもよくある。
8月10日(金)のトルコリラ相場などは、まさにその「原則を外れた非常時」であり、「例外に属する状況」だろう。スプレッドが20銭以上に拡大するようなことがあっても、それでFX会社を責めることはできない、と筆者には思えた。
それでも、20銭以上もスプレッドが開いていたら、短期で手仕舞うかもしれないトレードをバリバリやる気にはならない。トレーダーとしては、どうしても狭いスプレッドの口座を追い求めてしまうのだ。
■ブレグジット決定時もスプレッドがあまり拡大しなかった!?
そこで筆者が思い出したのは、ビッグイベントがあっても、スプレッドが拡がりにくいという定評がある、あのFX会社だった。
【参考記事】
●SBI FXトレードの米ドル/円スプレッドは雇用統計時でも0.1銭で拡がらないのか?
●【徹底調査】EU離脱の大混乱でスプ20銭が普通の中、1.19銭をキープしたFX会社とは?
2016年にあのブレグジット(英国のEU離脱)決定で金融市場が大混乱したときもスプレッドがあまり拡がらなかったというSBI FXトレードである。
SBI FXトレードのトルコリラ/円スプレッドは通常、100万通貨まで4.8銭。すごく広いわけではないが、現在のトルコリラ/円スプレッド競争の最前線は1.8~1.9銭あたりなので、それよりはやや見劣る。
けれど、好都合なことに、SBI FXトレードは7月30日(月)から、5通貨ペアについてスプレッド縮小キャンペーンを実施中。その中にはトルコリラ/円も入っており、このアツいトルコリラ相場を見越したかのように、1万通貨までならトルコリラ/円のスプレッドを1.79銭原則固定という業界最狭水準に狭めているのだ。
【参考記事】
●トルコリラ/円スプレッドがついに1.79銭! 前人未踏のスプレッド縮小キャンペーン!
1.79銭原則固定というスプレッドはメジャー通貨ペアと比べれば狭いとは言えないし、今のトルコリラ/円の場合、レートが20円以下と低く、米ドル/円と比べたら6分の1以下。パーセンテージで考えれば、1.79銭原則固定という数字から来るイメージ以上に、スプレッドは結構広めということになる。
とはいえ、「これだけ相場が動けば、そんなスプレッドも気にならない」と筆者はそのとき思ったのだった。
といっても、8月10日(金)はいわば非常時。原則固定スプレッドの「原則」に…
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