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イケダハヤト氏も知らない、トルコショック
でもスプレッドが拡がらなかったFX口座とは?

2018年08月15日(水)19:28公開 (2018年08月15日(水)19:28更新)
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【GMOクリック証券】圧倒的人気で100万口座達成!最短即日で取引可能!

イケダハヤト氏がトルコリラに売り参戦!

 トルコリラが下落を続けていた8月8日(水)、イケダハヤト(通称:イケハヤ)氏が「トルコリラに売り参戦」というニュースが飛び込んできた。筆者がそれを知ったのは、ザイFX!でいつも記事を書いてもらっているライターの高城泰さんのツイートでだった。

 このニュースを見て、何人もの人から筆者は「また、『イケハヤは靴磨きの少年だ』って書かないんですか?」と聞かれたのである。イケダハヤト氏が売ってくるなら、そろそろトルコリラも大底ではないか、というのだ。そこにはもしかしたら、「トルコリラの買いポジションを持っていて含み損が拡大しているので、『イケハヤは逆指標』と言ってほしい」といった願望も含まれていたのかもしれない。

 筆者はかつてビットコイン相場について、イケダハヤト氏が買ってくるならもう天井なのでは?といった趣旨の記事を書いたことがあったのだが、それ以上にビットコイン相場が上昇してしまったため、イケダハヤト氏から

「イケハヤを『靴磨きの少年』呼ばわりした『ザイFX!』の井口稔編集長、息してる~?」

 と書かれてしまった過去がある。

【参考記事】
急上昇していたビットコインが大暴落! イケダハヤト氏が買ったところがド天井!?
熱狂のビットコイン相場。イケダハヤト氏は再び「靴磨きの少年」となるのか?

イケダハヤト氏のブログより
イケダハヤト氏のブログ

 さて、「イケハヤがトルコリラに売り参戦」というニュースを受け、筆者はイケダハヤト氏のブログを見にいったのだが…。その内容を見ると、イケダハヤト氏はどうも証拠金3万円でトルコリラ/円を1万通貨だけ売ったようだった。さらに「少額で遊ぶのを強くおすすめします」ともイケダハヤト氏は書いていた。あの高名なイケダハヤト氏が証拠金わずか3万円……イケハヤさん、全然本気出してない、本気出してないよ!

イケダハヤト氏が本気を出していない以上、これをもって大底フラグととらえるのはムリだろうと筆者は考えた。それで、イケハヤネタの記事をその時点では書かなかったのである。

自分こそ靴磨きの少年になってしまうかも!?

 そして迎えた8月10日(金)、みなさんご存じのとおり、トルコリラには“暴落”という表現がふさわしい、非常に激しい下落が訪れたのだった。

【参考記事】
トルコリラ/円が一時、16円台まで暴落! トルコリラ急落の震源地はユーロか!?

トルコリラ/円 1時間足
トルコリラ/円 1時間足

(出所:Bloomberg)

 このとき、これならトレード下手な筆者でも、さすがに売れば儲かるのでは?……そんな考えが脳裏に浮かんだ。

自分こそ靴磨きの少年になってしまうかも!?というリスクを感じつつも、トルコリラを売ってみると、思ったとおり、相場はすいすい下がっていった。

トルコリラは流動性低下に注意。とくに「犠牲祭」の週

 ──ここからは、筆者の経験を少し交えながら、トルコリラを短期トレードするなら、どのFX口座が良さそうか、ということをお伝えしていきたいのだが、その本論に入る前に注意点がある。

 トルコリラを取り扱っている各FX会社はトルコリラの取引について、軒並み注意喚起のお知らせを出している。流動性が低下し、急激な相場変動が起きたり、スプレッドが拡大したり、取引がしづらい状況に陥ることも考えられると注意喚起しているのである。

 とくに8月20日(月)からの週のトルコは、8月20日(月)が犠牲祭(※)前夜という祝日、8月21日(火)~8月24日(金)が犠牲祭という祝日になっており、流動性が一段と低下することが予想されるという。

(※「犠牲祭」とはすごいネーミングだが、これはイスラム教で定められた宗教的な祝日。トルコリラ買いでやられた人の魂を鎮める祭ではない)

岡三オンライン証券が出した注意喚起のお知らせ
岡三オンライン証券が出した注意喚起のお知らせ

ザイFX!でおなじみの元為替ディーラー・西原宏一さんは大橋ひろこさんとの8月13日(月)に公開した対談記事のなかで、以下のように話していた。

西原宏一さんの見解

【参考記事】
トランプ砲がトルコショックに追い打ち! 米国株が崩れると、リスクオフ加速も…!?(西原宏一&大橋ひろこ)

 トルコリラは言うまでもなく、マイナーな新興国通貨。米ドル/円などのメジャーな通貨ペアと同じようにいつでも不自由なく取引できると考えてはいけない。トルコリラのような通貨はまったく取引しないというスタンスも賢明かもしれない。

 しかし、それでも…。収益を上げるいいチャンスがあったら取引してみたい!という方々のために本記事は作成した。けれど、仮に取引するにしても、トルコリラ/円で大きなポジションを取るのは考えものだと筆者は思う。仮にトレードするとしても、少額に止めることをおすすめする。

想定どおりに相場が下がっても含み損のままだったワケ

 前置きが長くなったが、要するに8月10日(金)、筆者はあるFX口座でトルコリラ/円を売ってみたのだった。すると、想定したとおり、相場は順調に下がっていったのだが、ある程度、相場が下がっても筆者のポジションは含み損を抱えたままだったのである。

 なんでだろう?と思って、よく見てみると、スプレッドが20銭以上にも拡大していたのだった。チャートを見て何となく思っていたよりも、だいぶ不利なレートで筆者は売りポジションを建てていたのだ。

日本のFX会社は「原則固定制」のスプレッドが主流だ。原則固定ということはその原則を外れることもある、ということになる。「原則固定」と書いてあるのに、さらに「原則固定(例外あり)」と「例外あり」という文言がつけ加わっていることもよくある。

8月10日(金)のトルコリラ相場などは、まさにその「原則を外れた非常時」であり、「例外に属する状況」だろう。スプレッドが20銭以上に拡大するようなことがあっても、それでFX会社を責めることはできない、と筆者には思えた。

 それでも、20銭以上もスプレッドが開いていたら、短期で手仕舞うかもしれないトレードをバリバリやる気にはならない。トレーダーとしては、どうしても狭いスプレッドの口座を追い求めてしまうのだ。

ブレグジット決定時もスプレッドがあまり拡大しなかった!?

 そこで筆者が思い出したのは、ビッグイベントがあっても、スプレッドが拡がりにくいという定評がある、あのFX会社だった。

【参考記事】
SBI FXトレードの米ドル/円スプレッドは雇用統計時でも0.1銭で拡がらないのか?
【徹底調査】EU離脱の大混乱でスプ20銭が普通の中、1.19銭をキープしたFX会社とは?

 2016年にあのブレグジット(英国のEU離脱)決定で金融市場が大混乱したときもスプレッドがあまり拡がらなかったというSBI FXトレードである。

SBI FXトレードのトルコリラ/円スプレッドは通常、100万通貨まで4.8銭。すごく広いわけではないが、現在のトルコリラ/円スプレッド競争の最前線は1.8~1.9銭あたりなので、それよりはやや見劣る。

 けれど、好都合なことに、SBI FXトレードは7月30日(月)から、5通貨ペアについてスプレッド縮小キャンペーンを実施中。その中にはトルコリラ/円も入っており、このアツいトルコリラ相場を見越したかのように、1万通貨までならトルコリラ/円のスプレッドを1.79銭原則固定という業界最狭水準に狭めているのだ。

【参考記事】
トルコリラ/円スプレッドがついに1.79銭! 前人未踏のスプレッド縮小キャンペーン!

SBI FXトレード トルコリラ/円スプレッド縮小

 1.79銭原則固定というスプレッドはメジャー通貨ペアと比べれば狭いとは言えないし、今のトルコリラ/円の場合、レートが20円以下と低く、米ドル/円と比べたら6分の1以下。パーセンテージで考えれば、1.79銭原則固定という数字から来るイメージ以上に、スプレッドは結構広めということになる。

 とはいえ、「これだけ相場が動けば、そんなスプレッドも気にならない」と筆者はそのとき思ったのだった。

今回のトルコリラ暴落でもスプレッドは拡がらず

 といっても、8月10日(金)はいわば非常時。原則固定スプレッドの「原則」に当てはまらない事態ということで、スプレッドが拡大したら、仕方がないけれど残念なのだが、SBI FXトレードの取引画面にログインしてみると……筆者の見た限り、スプレッドは1.79銭のまま、ピクリとも拡がらなかったのだった(※)。

(※これは取引数量欄に1万通貨以下の数量を入力した場合。1万1通貨以上を入力した場合はスプレッドは4.8銭で拡がらないように見えた

 さすが非常時でもスプレッドが拡大しないことに定評があるSBI FXトレードだ。

 提示スプレッドが拡大しなくても、約定がすべるようでは元も子もないが、少額の取引しかしていないものの、筆者が経験した限り、極端にすべるようなこともなかったと思う。

SBI FXトレードのWEB版取引画面(クリックで拡大)
SBI FXトレードのWEB版取引画面

全11口座のトルコリラ/円スプレッド推移を調べてみた

 それでは他社と比較すると、この非常時におけるSBI FXトレードのトルコリラ/円スプレッドはどうなのか? これを改めて調査してみることにした。

 8月10日(金)のトルコリラ/円は15時台と22時台にとくに激しく急落したが、より短時間のうちに急落したのは今回の暴落の初動といえる15時台の方だった。そこで、トルコリラ/円を取り扱っている主要FX会社について、8月10日(金)15時~15時20分の間の1分足の始値を調べてみたのである。

 1分足の始値について、Bid(FX会社側の買い値=投資家側の売り値)とAsk(FX会社側の売り値=投資家側の買い値)の値を調査し、その差を計算すれば、1分足の始値の瞬間のスプレッドを出すことができる。

 この方法だと1分間の開始時点のスプレッドはわかるが、1分間の途中のスプレッドがどうなっていたかまではわからない。データを見る際、この点は注意が必要だ。けれど、これ以上、詳しく調べることは極めて困難なため、今回はこの方法によって調べたデータを公開することにした(これだけ調べるのも結構大変な作業なのだ)

 2018年8月10日(金)15時~15時20分に、トルコリラ/円を取り扱っている主要11社11口座のスプレッド推移は以下のとおりとなっていた。

(クリックで拡大)
FX各社のトルコリラ/円急落時のスプレッド推移

 これを見ると、15時から15時7分ぐらいまで平穏無事に推移していたスプレッドが15時8分ごろから拡大し始め、15時15分~17分あたりでピークをつけていることがわかる。

X軸にピタリ貼りついたSBI FXトレードのスプレッド推移

 そして、この中でSBI FXトレードのスプレッド推移はどれか、おわかりだろうか?

 上のグラフだと、ラインがいっぱいあってわかりにくいので、SBI FXトレードのスプレッド推移のところだけ取り出してみよう。すると、以下のとおりとなった。

(クリックで拡大)
SBI FXトレードのトルコリラ/円急落時のスプレッド推移

 ご覧のとおり、X軸にピタリ貼りつくように、横一直線に伸びているのがSBI FXトレードのスプレッド推移だ。調査した20分間の始値において、SBI FXトレードのトルコリラ/円スプレッドは1.79銭のまま、変わることがなかったのだ(※)。

(※SBI FXトレードのチャートで確認できるBidとAskの値は取引量1万通貨までに適用されるものの模様。1万1通貨以上だとスプレッドは4.8銭になっているはずだ)

SBI FXトレード トルコリラ/円 1分足(8月10日(金)15時前後)
SBI FXトレード トルコリラ/円 1分足(8月10日(金)15時前後)

GMOクリック証券もスプレッドはそれほど拡がらずに健闘

SBI FXトレードの次にがんばっていたのはGMOクリック証券「FXネオ」

 通常時のトルコリラ/円スプレッドは1.9銭原則固定(※)のGMOクリック証券「FXネオ」だが、このときは15時~15時9分までずっと1.9銭原則固定。その後は拡大しても最大10銭までで、10銭というときがとても多かった。

(※GMOクリック証券は8月14日(火)に出したお知らせで、このところのトルコリラの相場急変やトルコで祝日が連続して流動性が低下する恐れを考慮し、当面の間、トルコリラ/円については原則固定スプレッドの適用対象外とすることを発表している。このため、トルコリラ/円のスプレッドは通常時は原則固定なのだが、現在は原則固定になっていない)

(クリックで拡大)
GMOクリック証券のトルコリラ/円急落時のスプレッド推移

 通常時は原則固定スプレッドであっても、非常時のこのような場合には、完全な変動制になってしまうFX会社も多い中、同口座は10銭という時間帯が長く、10銭のところに第2の原則固定防衛ライン(?)が敷かれているような感じになっていた。

 前述したとおり、SBI FXトレードの1.79銭原則固定というのは1万通貨までの話で、それ以上だと4.8銭原則固定になる。そのことも考え合わせると、スプレッドが取引量によって変化することのないGMOクリック証券「FXネオ」もかなりがんばっているといえそうだ。

GMOクリック証券「FXネオ」 トルコリラ/円 1分足(8月10日(金)15時前後)
GMOクリック証券「FXネオ」 トルコリラ/円 1分足(8月10日(金)15時前後)

スプレッド100銭の瞬間もあったくりっく365

 続いては8月10日(金)15時~15時20分の期間に残念ながらスプレッドが大きく拡がってしまった2口座を取り上げたい。ヒロセ通商くりっく365だ。

ヒロセ通商「LION FX」のトルコリラ/円スプレッドは公称1.9銭原則固定。このときも1.9銭もしくは数銭~13銭ぐらいまでのスプレッドを割と長くキープしていたのだが、その後、急拡大し、15時16分には最大値の100銭(1円)を記録した。

(クリックで拡大)
ヒロセ通商とくりっく365のトルコリラ/円急落時のスプレッド推移

 そして、同じ15時16分にやはり100銭(1円)という値を記録したのがくりっく365だ。

くりっく365はFXの取引所であり、スプレッドは原則固定制ではない。したがって、事前に提示されている公称スプレッドというものは存在しないのだが、2018年7月実績として、トルコリラ/円の月間平均スプレッドが3.795銭だと発表されており、これが参考値になる。

 FX会社は最終的にはインターバンク市場とつながっているものだが、原則固定制の店頭FX会社では、インターバンク市場と投資家の間に店頭FX会社が介在することで、為替市場が本当は常に揺れ動いているなか、人工的に原則固定のスプレッドを何とかキープしているような形となっている。

 これと比べて、くりっく365の方がインターバンク市場によりダイレクトにつながっており、為替市場の波を投資家へそのまま伝えやすい構造になっているといえそうだ。

 そして、インターバンク市場に任せておけば、このときのようにスプレッドが100銭(1円)になってしまうことがあるということだ。

27社のトルコリラ/円スプレッドが100銭に拡大したはず

くりっく365の場合、それを取り扱っているFX会社なら、どこでも同じレート、同じスプレッドが配信されることになっている。

 そして、くりっく365公式サイトによると、くりっく365の取扱い会社は27社もあるようだ。

くりっく365の取扱い会社(くりっく365公式サイトより)
くりっく365の取扱い会社(くりっく365公式サイトより)

 ということは、27社という非常に多くの会社のくりっく365口座で、トルコリラ/円スプレッドが今回の調査対象期間中に100銭(1円)まで拡がってしまっていたということになる。

 一方、店頭FX会社はすべて調査しきれないものの、今回調査した10社の中ではヒロセ通商だけが同様のスプレッド拡大を見せていた。

 なお、先ほど述べたとおり、くりっく365のデータはどの取扱い会社でも同一なはずだが、今回のデータはカブドットコム証券で取得している。また、くりっく365の場合は正確にはBidとAskではなく、MM買気配(※)、MM売気配の数値を調査している。

(※「MM」とはマーケットメーカーのこと)

スプレッド超拡大が底打ちのサインになる?

 結局、今回の調査結果を見る限り、くりっく365ヒロセ通商「LION FX」で非常時にトルコリラ/円を取引することはあまりおすすめできないということになるが、参考のため、そのスプレッド拡大の様子を見ておくと役立つことはあるかもしれない。

 というのは100銭(1円)という感極まったスプレッドが提示された15時16分近辺で、今回の相場はいったん底打ちしているからだ。

カブドットコム証券のくりっく365 トルコリラ/円 1分足(8月10日(金)15時前後)
カブドットコム証券のくりっく365 トルコリラ/円 1分足(8月10日(金)15時前後)

 トルコリラ/円にこれから非常時がまたやってきたとして、くりっく365のトルコリラ/円で100銭(1円)までもスプレッドが急拡大すれば、底打ちのサインかも?と身構えておく、といった使い方ができるかもしれない。

一部には1分足が存在しなかったFX会社もあった

 最後に取り上げるのはサクソバンク証券「スタンダードコース」セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」FXプライム byGMO「選べる外貨」の3口座だが、ここで取り上げたいのはスプレッド拡大の状況ではない。

 調査対象とした8月10日(金)15時~15時20分の期間においてサクソバンク証券「スタンダードコース」は15時11分から15時19分まで、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」は15時15分から15時18分までトルコリラ/円の1分足チャートにローソク足が存在しなかったのである(※)。

 おそらくこの期間はレートが提示されていなかったのではないかと思える。

(※今回の調査対象の中では、ヒロセ通商「LION FX」も15時13分のローソク足がなかった)

(クリックで拡大)
サクソバンク証券、セントラル短資FX、FXプライムbyGMOのトルコリラ/円急落時のスプレッド推移

 また、FXプライム byGMO「選べる外貨」はローソク足は一応、すべて存在していたのだが、15時16分から15時20分の間のローソク足が4値同事足などと呼ばれる横一本のラインのようになっていた。

FXプライム byGMO「選べる外貨」 トルコリラ/円 1分足(8月10日(金)15時前後)
FXプライム byGMO「選べる外貨」 トルコリラ/円 1分足(8月10日(金)15時前後)

 これは通常は1本のローソク足の始値も高値も安値も終値もすべて同一レートだったことを表しているが、他社のチャートを見る限り、このとき、そんなに動きがまったくない状態だったとは思えない。すると、やはりこの期間はレート配信が停止していた可能性がありそうなのだ。

 本記事の最初の方で触れたが、トルコリラのような新興国通貨において怖いのは流動性が低下して、取引できなくなること。今回の暴落時にも短時間ではあるが一部の口座では、そういったことがあったと推測されるということだ。

 なお、各FX会社の通常時のトルコリラ/円スプレッドについては、以下のコンテンツでチェックできる。こちらもご参考に。

【参考コンテンツ】
FX会社おすすめ比較:トルコリラ/円が取引できるFX会社はここだ!「トルコリラ/円スプレッドの狭い順」

SBI FXトレードのお知らせの中にあった“抜け穴”とは?

 繰り返しになるが、トルコリラ/円のトレードにもしもチャレンジするとしても、大きなポジションは取らない方が無難。

 それでも、これだけ動きが大きいなら、トレードの対象として魅力的な面があるのも事実だ。別に売りからでなくても、買いから入ってもいい。実際、筆者も今回、売りから入るトレードだけでなく、買いから入るトレードもやってみた。売り買い自在にやればいいのである。

 そして、売りから入った場合でも、デイトレードにして翌日に持ち越さなければ、トルコリラ/円の高額な売りスワップを支払う必要もない。

 そんな際、非常時でもなかなか拡大しないSBI FXトレードのスプレッドは魅力的だ。

 ただ、本記事を作成している途上にあった8月14日(火)、SBI FXトレード「今後のトルコリラの相場変動へのご注意及びスプレッドの広告適用除外について」というお知らせを出した。

SBI FXトレードが出したお知らせ
SBI FXトレードが出したお知らせ

 このお知らせではトルコリラ安が進行していること、8月20日(月)の週以降、トルコでは犠牲祭などの祝日が続き、トルコリラのボラティリティが高まる可能性があることが触れられていた。そして、スプレッドが通常より長期間大きく広がる場合があり、「スプレッド広告表示の適用除外の措置」をとることが発表されていた。

 その「対象通貨・取引数量」「トルコリラ/円、10,001通貨以上」となっており、「対象時期」「2018年8月15日(水)6:00~8月25日(土)5:30」となっていた。

 ここまでSBI FXトレードのトルコリラ/円スプレッドが魅力的ということを書き連ねてきたのだが、犠牲祭を前にして、SBI FXトレードとしても狭いスプレッドを今までと同じようには保証できない、ということになったようだ。

 ただ、すでにSBI FXトレードの示す対象期間に入った8月15日(水)の夕方現在、筆者がSBI FXトレードの取引画面を見た感じでは1万通貨までなら1.79銭、それを超えたら4.8銭というトルコリラ/円のスプレッドにまだ変化はないようだった。

 また、SBI FXトレードのお知らせの中にも抜け穴(?)がある。このお知らせでは対象が「10,001通貨以上」とされており、1万通貨までの取引は対象外なのだ。これは逆に言えば、1万通貨までだったら、まだまだSBI FXトレードは狭いスプレッドの提示をがんばるということかと思える。

わずか1トルコリラ(18円相当)のポジションを取ることも可能

 ちなみに、SBI FXトレードはわずか1通貨から取引可能だ。このようなことができるのは日本では2社しかなく、SBI FXトレードは非常に貴重な特徴を持った口座を提供しているといえる。

 本記事では、トルコリラ/円で大きなポジションは取らない方がいいということを何度も書いてきたが、SBI FXトレードでは超少額でポジションを取ることが可能だ。

SBI FXトレードのWEB版取引画面より
SBI FXトレードのWEB版取引画面

上の画像は、SBI FXトレードで1トルコリラだけポジションを持った状況

 仮にトルコリラ/円を最小単位だけ買ったとしたら、つまり、1トルコリラのポジションを取ったとしたら、それは日本円で約18円相当のポジションということになる(2018年8月15日現在)。

 今後、トルコリラ/円が現時点の半値まで暴落したとすると、その損失は9円にすぎない。その代わり、2倍に上昇しても利益は18円にすぎないが…。

少額お試しのトレードをやってみるにも、SBI FXトレードはいい口座なのだ。

 筆者はわずか1通貨単位から取引できるSBI FXトレードの特徴を利用して、日本円で同一金額分ずつ米ドルを少しずつ買っていくという投資法(いわゆる「ドルコスト平均法」)をかつて実践したことがあり、以下の記事でこれを紹介している。

【参考記事】
【口座完全公開】FXでドルコスト平均法! 勝てない人でも勝てるようになる!?

 じつは今回、SBI FXトレードの口座を使って、トルコリラ/円でも似たようなことを行っていたこともあるのだが、そちらはすでに損切りした。この方法はどのぐらいの金額ずつ買っていくかということが微妙だし、トルコリラ/円でそれを実践することが万人におすすめとは言い難いが、SBI FXトレードではそんなやり方さえできる、ということはちょっと紹介しておきたい。

みんなのFXはなぜスプレッド調査ができなかったのか?

 なお、トルコリラ/円のスワップ金利が高いことで最近人気が急上昇していたトレイダーズ証券「みんなのFX」は、以前、トルコリラ/円のスプレッドを1.9銭原則固定で提供していたが、現在は変動制となった模様で、公称の原則固定スプレッドはなくなっている。そして、筆者が見た限り、8月10日(金)もスプレッドは結構拡大しているようだった。

 そして、トレイダーズ証券「みんなのFX」のチャートシステムは、BidとAskのチャートをそれぞれ表示することができない仕様となっている模様で、今回はスプレッド調査をすることができなかった。このため、今回の調査対象には入っていない。

 なお、ザイFX!ではトルコリラ/円を売りから入って、日をまたいで持ち越したいというときのために、トルコリラ/円の売りスワップが少ないFX会社ランキングも先に公開している。

 これについては、以下の記事をご参考に。

【参考記事】
【緊急調査】トルコリラ大暴落で知りたい! F X各社の「売りスワップ」ランキング発表!

トルコリラ暴落の原因はイケダハヤト氏という説が…!?

 本記事のメインテーマはイケダハヤト氏ではないのだが、最後にイケダハヤト氏に話を戻そう。

 本記事冒頭で、8月8日(水)にイケダハヤト氏がトルコリラに売り参戦したということをお伝えした。

 しかし、筆者もあとから気づいて驚いたのだが、イケダハヤト氏はなんとその前日の8月7日(火)に「そろそろトルコリラ買うか……」ともつぶやいていたのだ!

 ツイッター上では今回のトルコリラ暴落の原因はイケダハヤト氏のこのツイートにあるのではないか、というツイートがバズっている。

 ただ、超短期のトレードを行うスキャルパーでなくとも、「買い」と言っていた10分後に「売り」に転換していることもあり得るのがトレーダーの世界。イケダハヤト氏の変わり身の早さを非難することはないだろう。

 では、トルコリラ/円を売っていたイケダハヤト氏はその後、どうなったのだろうか?

 イケダハヤト氏は自身のブログで、8月10日(金)に「過去最安値更新で『38%』のリターン!トルコリラ投資で儲かったので情報共有。」という記事を書いていた。

 大暴落が起こった8月10日(金)にイケダハヤト氏はトルコリラ/円の売りを決済していたのだ。20円割れの水準で決済し、1万1455円、儲けたらしい。

 イケダハヤト氏は上述のブログ記事の中で以下のように書いていた。

「本日、ついに20円を切りました。このまま15円くらいまで下がるのでは……。」

「15円くらいまで下がるのでは」ってイケハヤさん、ズバリ当たってるじゃん! じゃあ、なんで20円割れで決済しちゃったの? でも、何であれ、利益出したんだからエラい……などなど、噴出するさまざまな感想を書き連ねつつ、

 さすがはイケハヤだ。

 とつぶやいて、本記事の締め括りとしたい。

 ──だけど、そんなイケハヤさんもFX口座のスプレッドがどうとか、そんな細かいことまでは知らないし、気にしてないんじゃないかな~。でも、それが収益には大いに関係するんですよね。

(ザイFX!編集長・井口稔 編集協力:ザイFX!編集部・庄司正高&堀之内智)

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