昨日は世界的にもリスク回避の動きが強まった。前日のニューヨーク市場で米ドル金利が顕著に上昇したからだ。金利や税金は企業にとってはコストでしかない。コスト増を嫌気しての株売りであるのは間違いない。そもそもそれまでは「適温相場」などといって悠長なことを言っていたから、備えが薄くなっていたのもあるのだろう。
アジア時間ではドル円は114円台の中盤をキープ。ドル円が下がってきたのはニューヨーク序盤に突入してからである。後は米国株の下げ幅拡大とともに下げ基調を強めてくるだけ。
米国株が反転に向かってきてから、ドル円も底打ちの状態となって113円台の後半まで戻してきた。今日になってドル円は114円台に戻したりしてくる局面もあったが、それにしてもドル円は腰が強いように見える。
今晩はアメリカの雇用統計である。予想では就業者数が19万から20万人の増加となっている。これに1、2万人の超過の増加が見られても、それは驚くことにはつながらない。なぜならば先日に公表された民間調査でも同じくらいの上振れが見られたからだ。
それよりも重要なのは賃金上昇であろう。まもなく年末に向けての商戦が始まる。それに向けて労働力確保のため、アマゾンなども時給を引き上げることを検討したりもしている。
労賃のアップも中期的なインフレを押し上げ、企業コストを圧迫する。平均時給はプラス0.3%が見込まれているが、これがちょっとでも大きいと再びドル金利の上昇、そしてリスクオフをもたらすことになる。
ドル円にとっては金利上昇の分と、株価下落によるリスクオフの分で相殺される。起こるべきことがわかっていても、どちらに向かうことになるのかは予測は難しい。ユーロドルのショートがよいのではないかという気がする。これであればドルの上昇にもリスクオフにも順応できるからだ。
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