■スピード調整はあるものの、米ドル高トレンドはまだ続く
筆者が繰り返し指摘してきたとおり、ドルインデックスは昨日(11月1日)大幅反落したものの、いったん2018年8月高値をブレイクし、2018年年初来高値を更新した。
(出所:Bloomberg)
米ドル高のトレンドは、昨日(11月1日)の反落のように、途中のスピード調整は避けられないものの、基本的にはこれからも維持され、メインシナリオである2016年の高値更新をめざしていくだろう。
■ユーロ/米ドルは2019年にパリティも!?
同じ視点では、ユーロ/米ドルは昨日(11月1日)反騰し、いったんは2018年年初来安値更新を回避したものの、早晩安値を割りこみ、1.1ドルの節目にトライしていくだろう。
(出所:Bloomberg)
前述のドルインデックスのメインシナリオが正しければ、来年(2019年)はユーロ/米ドルのパリティ達成も視野に入る。
■ポンド/ドルのリバウンドの陰にユーロ/ポンドの大幅反落あり
ユーロ以外の主要外貨は、やはり米ドルのみでなく、ユーロとの関係も重要になってくる。
英ポンドはその典型で、英ポンド/米ドルの値動きは、ユーロ/英ポンドの影響をかなり受けて形成されると言っても過言ではないから、一昨日(10月31日)からのユーロ/英ポンドの大幅反落があったからこそ、英ポンド/米ドルも大きくリバウンドしてきたわけだ。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
ここで注意していただきたいのは、EU(欧州連合)離脱に関するゴタゴタや報道の二転三転が、かなり市況を左右してきたので、完全に決着するまで油断できない上、また大きな波乱を覚悟すべきである、ということだ。
ゆえに、米ドル全面高のメイントレンドが想定される以上、英ポンドの大きな切り返しがあっても、対ユーロの強気変動があっても、対米ドルのブル(上昇)トレンドは想定されにくく、途中大きなリバウンドがあっても早晩、再度頭打ちとなり、またベア(下落)トレンドへ復帰するだろう。
ユーロ/米ドルにだいぶ遅れる可能性が大きいものの、英ポンド/米ドルも早晩、2018年年内安値を更新していくだろう。
■豪ドル/米ドルが底打ちしたという判断は性急
豪ドル/米ドルも然り。今年(2018年)2月から、豪ドルは対ユーロでは一貫したベアトレンドを維持してきたが、先月(10月)半ばから売られすぎの反動で対ユーロでの反発がみられ、今週(10月29日~)は大きく反騰してきた。
したがって、10月26日(金)に豪ドル/米ドルはいったん安値を更新したものの、当日高く大引けし、また昨日(11月1日)、大きく反騰してきたのも整合性を持つ値動きであるとみる。
(出所:Bloomberg)
先ほどと同じロジックでは、このような一時的な大きな反騰があっても、底打ちが図られたという判断は性急であろう。
豪ドル/米ドルのベアトレンドは、4月高値からほぼ一本調子に進んできただけに、近々大きなリバウンドがあってもおかしくないが、それはあくまでスピード調整と見なしたほうが無難だ。
また、大きなスピード調整があるからこそ、その後は「身軽」になり、早晩2016年安値0.6827ドルの打診につながるだろう。
一方、ドルインデックスにおけるスピード調整は…
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