昨日のアジア時間ではグローベックスの中でダウ先物が大きく下げた。これはエチオピア機の墜落によるものだった。ただしこれはボーイング社だけの特殊事情である。S&P先物とダウ先物がマタ裂き状態で動くのは珍しいことだ。
通常ならば悪材料ということで、S&P先物のほうもツラレ安してしまうからだ。それだけ全体的なリスクテーク地合いが強かったとも言える。ドル円もはじめのころは110円台に沈んだりしたが、東京クローズにかけて堅調な足取りとなってきた。
米国市場は夏時間に入った。ニューヨークオープンにも十分に戦っていける季節となった。昨日は小売売上高が出た。予想を上回ったが、ドルの上昇幅は限定的だった。ドル円もユーロドルもニューヨーク時間では20ポイントほどの値幅のみだった。
さて今晩からイギリス議会でクライマックスを迎える。今日はEUとの合意案を認めるかどうかの採決。これは粛々と否決される模様。そして明日は合意なき離脱のままでよいかどうかの採決。これも否決される予定であるが、結局のところは何も決められないのである。
そして木曜日には離脱そのものを延期させるかどうかであって、世の中の関心はもっぱらこれに集まっている。またメイ首相も離脱延期が当面の打てる政策のセカンドベストなものだと割り切ってもいる。
BREXITは困難が伴うのは前々からわかっていたのに、これまでの2年半は何もできなかったということだ。残り3週間を割り込んできてから打開策がいきなりできあがると考える方が不自然である。
マーケットもどうせ延期しかないだろうと以前から見込んでいるようで、ポンド相場にもほとんど荒れる傾向は見えない。イギリスの威信がやや落ちておしまいなのだろう。あまりポンドにも動きは期待できそうにないが、それでもいちおうの警戒態勢だけは敷いておく。
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