■ユーロ/米ドル急落にトランプ大統領が不満表明
過去数週間、香港のデモや英国の合意なきEU(欧州連合)離脱の混乱で、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は総じて軟調な動きに終始していましたが、既報のように香港のデモの一時的収束と英国の合意なきEU離脱の懸念が大きく後退したことで、クロス円が反発。
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そして、個人的に注目しているのがユーロ/米ドルです。
米国の10年債利回りが急落しているにも関わらず、英ポンド/円が牽引する形でクロス円が急落したため、ドルインデックスは急騰。
(出所:Bloomberg)
このドルインデックスの急騰は、ユーロ/米ドルの下落を誘引し、ユーロ/米ドルは一時1.1000ドルの大台を割り込む展開。
(出所:Bloomberg)
まず、このユーロ/米ドルの急落に不満を表明したのがトランプ大統領。
トランプ氏、FRBを再批判 「ユーロ安・ドル高に対応せず」
トランプ大統領はツイッターへの投稿で、ユーロがドルに対し「ものすごい勢い」で下落しているとし、「欧州に輸出・製造面で大きな優位性を与えてしまっている。しかし、FRBは何もしていない!」と批判。
出所:ロイター
■ドルインデックス反落示唆。ユーロ/米ドル反発の可能性
ドルインデックスは、デマーク(※)チャートでダブル13を点灯。節目の100がレジスタンスになっており、反落を示唆(米ドル売り)。前述したように、ドルインデックスの反落は、ユーロ/米ドルの反発に繋がります。
(※編集部注:「デマーク」とはTDシーケンシャルなどのテクニカル指標を開発したトーマス・R・デマーク氏のこと)
ユーロ/米ドルの日足も、TDシーケンシャルがカウントダウンを点灯させ、ボトムアウトを示唆しています。
(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
リスクオフの環境下、米10年債利回りが急落しているにも関わらず、ドルインデックスが急騰し、米ドルが買われ過ぎの状態に陥っています。
そんな中、一時1.1000ドルを割り込んだユーロ/米ドルも、香港のデモの一時収束とともに調整を示唆。
(出所:Bloomberg)
ドルインデックスの調整とともに、反発の可能性が高まっているユーロ/米ドルの動向に注目です。
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