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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

トランプ大統領が吠えて徐々に米ドル安へ…
2020年は総じて米ドル安との見方も!

2019年11月21日(木)12:12公開 (2019年11月21日(木)12:12更新)
西原宏一

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■トランプ大統領が吠えても米ドル安にならなかったが…

 一方、今週(11月18日~)注目されたのが、トランプ大統領、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長、そしてムニューシン財務長官がホワイトハウスで会談したとの報道。

 トランプ大統領のコメントによれば、「非常に良い誠意ある対談だった」とのことで、「金利やマイナス金利、低いインフレ、金融緩和、米ドル高とその製造業に対する影響、中国やEU(欧州連合)などとの貿易を含む」というように、様々な問題を協議したと説明。

 トランプ大統領のツイートは、以下の通り。

 翻訳すると、「パウエル議長との会談で、競合する他国・地域に比べて高過ぎると考えている米国の金利について『抗議』した。実際、我々(米国)の金利は他のすべてよりも低くあるべきだ。強過ぎる米ドルが製造業と成長に打撃を与えている!」ということです。

 ここで注目は、トランプ大統領が「強過ぎる米ドルが製造業と成長に打撃を与えている!」と付け加えた事。

 トランプ大統領の「米ドルは強過ぎる」というコメントは、就任以降、何度となく繰り返されていますが、彼のコメントどおり、マーケットは米ドル安に反応しませんでした

トランプ大統領は就任以降、「米ドルは強すぎる」と何度となく繰り返してきたが、マーケットは米ドル安で反応しなかった… (C) Chip Somodevilla/Getty Images News

トランプ大統領は就任以降、「米ドルは強過ぎる」と何度となく繰り返してきたが、マーケットは米ドル安で反応しなかった… (C) Chip Somodevilla/Getty Images News

 その要因は、まず、米国経済が堅調に推移してきたこと。

 そして、前述のトランプさんのコメントにもあるように、競合する他国と比較すると、高過ぎる米金利が米ドルを高止まりさせてきました

 ただ、今年(2019年)も後半に入ると、FRBが(昨年(2019年)末に予想されていたような利上げではなく)、3会合連続の利下げに踏み切ったこともあり、英ポンド/米ドルの急騰を筆頭に、総じて米ドルは軟化してきました(米ドル/円は膠着)。

■モルガン・スタンレーは、英ポンドとNZドルのロング推奨

 米ドルの下落は、前述のモルガン・スタンレーの予測に沿ったものでもあります。

 彼らの2020年の主要通貨における推奨トレードも、英ポンド/米ドル、NZドル/米ドルのロングといったように、対米ドル通貨ペアの米ドル下落を推奨しています。

米ドルVS世界の通貨 週足
米ドルVS世界の通貨 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足

 例年、年末に向けて多くの主要銀行で翌年(2020年)の推奨トレードが出揃ってくると、(年間を通してではなく)年末年初においての精度は高いものがあります。

 今年(2019年)も年末に向けて、英ポンド/米ドルとNZドル/米ドルの上昇に注目です。


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