■トランプ大統領が吠えても米ドル安にならなかったが…
一方、今週(11月18日~)注目されたのが、トランプ大統領、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長、そしてムニューシン財務長官がホワイトハウスで会談したとの報道。
トランプ大統領のコメントによれば、「非常に良い誠意ある対談だった」とのことで、「金利やマイナス金利、低いインフレ、金融緩和、米ドル高とその製造業に対する影響、中国やEU(欧州連合)などとの貿易を含む」というように、様々な問題を協議したと説明。
トランプ大統領のツイートは、以下の通り。
At my meeting with Jay Powell this morning, I protested fact that our Fed Rate is set too high relative to the interest rates of other competitor countries. In fact, our rates should be lower than all others (we are the U.S.). Too strong a Dollar hurting manufacturers & growth!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) November 19, 2019
翻訳すると、「パウエル議長との会談で、競合する他国・地域に比べて高過ぎると考えている米国の金利について『抗議』した。実際、我々(米国)の金利は他のすべてよりも低くあるべきだ。強過ぎる米ドルが製造業と成長に打撃を与えている!」ということです。
ここで注目は、トランプ大統領が「強過ぎる米ドルが製造業と成長に打撃を与えている!」と付け加えた事。
トランプ大統領の「米ドルは強過ぎる」というコメントは、就任以降、何度となく繰り返されていますが、彼のコメントどおり、マーケットは米ドル安に反応しませんでした。
トランプ大統領は就任以降、「米ドルは強過ぎる」と何度となく繰り返してきたが、マーケットは米ドル安で反応しなかった… (C) Chip Somodevilla/Getty Images News
その要因は、まず、米国経済が堅調に推移してきたこと。
そして、前述のトランプさんのコメントにもあるように、競合する他国と比較すると、高過ぎる米金利が米ドルを高止まりさせてきました。
ただ、今年(2019年)も後半に入ると、FRBが(昨年(2019年)末に予想されていたような利上げではなく)、3会合連続の利下げに踏み切ったこともあり、英ポンド/米ドルの急騰を筆頭に、総じて米ドルは軟化してきました(米ドル/円は膠着)。
■モルガン・スタンレーは、英ポンドとNZドルのロング推奨
米ドルの下落は、前述のモルガン・スタンレーの予測に沿ったものでもあります。
彼らの2020年の主要通貨における推奨トレードも、英ポンド/米ドル、NZドル/米ドルのロングといったように、対米ドル通貨ペアの米ドル下落を推奨しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
例年、年末に向けて多くの主要銀行で翌年(2020年)の推奨トレードが出揃ってくると、(年間を通してではなく)年末年初においての精度は高いものがあります。
今年(2019年)も年末に向けて、英ポンド/米ドルとNZドル/米ドルの上昇に注目です。
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