■リーマンショック時も米国株と米ドルは逆相関だった
リーマンショックの時を振り返りますと、我々はどうしても強烈な円高の記憶があるので、米ドルはその時、下落したと思ってしまいます。
しかし、実際には何が起こったかというと、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルといった通貨ペアは米国株の下落と同時に売られました。つまり、ユーロ/米ドルなどでは「米ドル高」になっていたわけです。
チャートを見ると、2008年9月のリーマン・ブラザーズ破綻から米国株は下げのスピードを速めましたが、同時にドルインデックスは上昇しています。
2009年3月6日(金)にNYダウは6469ドルの安値をつけ、その後、回復軌道に乗りますが、ドルインデックスと見事な逆相関となっています。

(出所:Bloomberg)
特に豪ドル/米ドルは2009年3月頃、0.6300ドル前後で取引されていましたが、NYダウが2009年末に1万ドルを回復してくると、豪ドル/米ドルは0.90ドルを超える高値で取引されるようになりました。

(出所:Bloomberg)
もちろん、その頃は資源価格も高く、現在の状況とは違いますが、(4)で示したポートフォリオヘッジの影響も大きいとするならば、豪ドル/米ドルの反発余地もそれなりに大きいと考えたほうが良いのかもしれません。
■米国株の戻しと同時に豪ドルもある程度戻す可能性
先週のコラムでは、資源価格が今後も低迷することから、豪ドルは低迷すると書きました。
【参考記事】
●利下げにもかかわらずレパトリで米ドル高。弱い商品市況。豪ドルは弱い通貨に逆戻りか(3月18日、志摩力男)
実際、その後の豪ドルは対米ドルで0.5500ドル前後まで急落しました。しかし、あまりにも下落が急激なことと、ポートフォリオヘッジからくる豪ドル売りも大きかったと仮定すると、米国株の戻しと同時に豪ドルもある程度戻す可能性が出てきています。

(出所:Bloomberg)
新型コロナの影響がどこまで波及するのか、予断は許しませんが、いつかコロナの影響は終わります。
新薬開発なのか、感染者のコントロールの結果が勝利するのかわかりませんが、少なくとも2年以上継続する問題ではないと信じたいと思います。
コロナの影響がなくなれば、マーケットは自然と回復するでしょうから、現在のレベルは、長期的にはバーゲンではないかと思います。
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【参考記事】
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