■FRBは危機的対応も、米国株は下落…
みなさん、こんにちは。
先月(2月)からの米国株の急落に対し、FRB(米連邦準備制度理事会)は、3月15日(日)に、緊急利下げという思い切った対策を打ち出します。
米FRBが緊急利下げ、債券買い入れ再開や他のツール活用も
米連邦準備理事会(FRB)は15日、政策金利をゼロ付近に引き下げ、債券買い入れを再開するとしたほか、危機時の対応手段の活用に踏み切った。
出所:ロイター
利下げ幅は驚きの1.00%で、政策金利は一気に0.00~0.25%のレンジへ。
(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部にて作成)
加えて、国債などの買い入れも再開すると発表しました。
ところが、米国株は下げ止まらず。
(出所:Bloomberg)
実は、今回のコロナショックによる米金融の混乱は、銀行間のものではなく、企業の資金繰り悪化によるものであるとの指摘が増えています。
振り返ってみれば、2008年のリーマンショックの時は、銀行間において信用収縮が起きたため、企業に対する信用スプレッドが上昇してしまったわけです。
結果、米企業の金融の血流が悪化しました。
ところが、今回は、銀行には問題はありませんが、金融機関から企業の間で資金の流れが目詰まりを起こしています。
FRBの思い切った対策も金融機関から企業の間での目詰まりに対するものではありませんので、米国株の下落を止める効果がなかったわけです。
■FRBのCP市場への流動性供給策導入は不発か…
当然、FRBもその点についての認識はあるため、銀行と企業との間の資金の目詰まりを解消するために、次の一手に打って出ます。
FRBの次の一手は、「CP(※)市場への流動性供給策!」
(※編集部注:CP(コマーシャルペーパー)とは、企業が短期資金の調達の為に発行する無担保の約束手形のこと。企業は公開市場で割引形式で発行する)
米FRB、CP市場への流動性供給策を導入 新型コロナ対策で
米連邦準備理事会(FRB)は17日、新型コロナウイルス危機によるクレジット市場の緊張緩和に向け、2008年の金融危機時に導入したコマーシャルペーパー・ファンディング・ファシリティー(CPFF)を再び導入すると発表した。
出所:ロイター
これにより、コロナショックによって苦しくなった米企業の資金繰りが楽になると思われました。
このことをチェックするために、3カ月物のCPと同じ期間の米短期金利のスプレッドを見てみます。
(出所:Bloomberg)
少なくとも、本稿執筆時点(3月18日)では、このスプレッドは改善しておらず…。
ロイターには、「FRBのCP市場の支援策は不十分」とする記事が掲載されています。
FRBのCP市場支援策、不十分の声も 低格付け物に懸念
米連邦準備理事会(FRB)が17日に発表したコマーシャルペーパー(CP)市場への流動性供給策を巡り、一部投資家の間で不十分との見方が出るなど、評価はまちまちとなっている。
出所:ロイター
つまり、米ドル不足は解消していないことを意味するため、引き続き、米ドルは底堅く推移すると想定されます。
主要通貨をチェックすると、英ポンド/米ドルは1.15ドル台、ユーロ/米ドルは1.09ドル水準、そして、豪ドル/米ドルは0.6000ドルの大台を割り込み、0.57ドル台で推移しています。
(出所:Trading View)
(出所:Trading View)
(出所:Trading View)
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)下落の…
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