昨日のユーロドルは年初来の高値を抜いてきたが、ニューヨーククローズに至るまでに利食い売りに押されてしまっている。日足としては陰線を形成したことになり、ここ連日のユーロ上昇には小休止の形となっている。
一方でドル円のほうは104円台まで見にいっており、ドル安傾向が継続している。105円台はレンジの下限とはならなかったわけで、欧州時間のうちからすでに105円台の後半は重くなっていた。
コロナ禍でナスダック指数など米国株が史上最高値をつけたりしている。これはテレワークに伴う需要もあるからなのだが、ダウ平均やS&P指数も史上最高値に接近していることからみても、やはりリスクマネーがあふれていることが原因であろう。リスクマネーの行き場としての不動産価格の下がらなさも顕著だ。
外食の需要が減ったことで飲食業の売上は半減以下になっている。それなのに家賃が下がらないとなると、需要と供給の関係が成り立たなくなる。果たして借りても少ないのに、テナント料だけどんどん上昇していく傾向がこのまま続くのか。
やはり「見えざる手」によって調整を余儀なくされるのか。少なくともこれから飲食業をオープンしようと考えている人は、入るお客さんも従来の半分くらいだとして計画しているはず。儲けを目指すためには値上げするか、固定費が下がるまで出店を様子見するはずだ。
そうしたリスクマネーの行方を見ていく上でも、今夜のFOMCは重要だ。コロナ感染の悪影響について市中の受けと止め方よりも、FRBのメンバーのほうが深刻に考えているようだからだ。
前回、前々回のFOMCでもハッキリしたことだが、経済へのダメージを相当に見込んでいる。だから利上げを考えないのはもちろんのこと、低金利政策を2年間か継続するといって、将来の政策を打ち出す余地を狭めるようなことまで言及している。
たとえ前回とほぼ同じ内容であっても、ドル金利の低下が時間軸的にも強められるようだと、為替相場ではドルの一段安、ドル建てのコモディティの一段高が起こるのは避けられない。パウエル議長が会見を始めてからドル売りをしていっても間に合うだろう。
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