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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

米ドル/円は、いつかは円高方向へ調整か!
ゼロ金利下で為替を動かすのはインフレ率

2020年09月09日(水)12:15公開 (2020年09月09日(水)12:15更新)
志摩力男

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■世界中ゼロ金利なら為替は動かなくなるのか?

前回の当コラムでは、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長はジャクソンホール会議における講演で、インフレ抑制よりも雇用を重視し、インフレ率が一時的に2%の目標を上回っても構わない姿勢を打ち出したことをご紹介しました。

【参考記事】
米ドルは戻り売り! 善意に満ちたパウエル講演の内容は、トランプと同じ金融緩和(9月2日、志摩力男)

 ということは、現在ゼロ%近辺にあるFRBの政策金利は、ドットチャートで示された2022年を超えて、向こう数年はゼロ%近辺で推移することになりそうです。

【参考記事】
米ドルは状況が落ち着けば下落していく…。ゼロ金利は5年ぐらい続くのではないか?(7月8日、志摩力男)

前回6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)のドットチャート
前回6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)のドットチャート

(出所:FRB)

 ECB(欧州中央銀行)は0.5%のマイナス金利ですし、日銀もマイナス0.1%。これまで高金利通貨と呼ばれていた豪ドルやNZドルも、その政策金利は0.25%と、ほとんどゼロに近い。

 新型コロナの影響で、どの国も低金利による景気刺激が必要になっています。そうなると、世界中、どの国もゼロ金利となり、金利差のない世界になる。

【参考記事】
新型コロナの影響で市場は今後どうなる? 世界中が金利ゼロへ!? ドル/円100円割れも!(3月4日、志摩力男)

そうであるなら、為替を売買する理由も特になくなり、為替市場は動かなくなるのではないか…そう思う人が増えているようです。

■インフレ率の高い国の通貨は、その分、毎年価値を失う

 気持ちは、よくわかります。

 しかし、そう思う人は、大事なことを忘れています。インフレ率です。

これまでインフレ率を気にして売買した人は、ほとんどいないのではないかと思います。

 そういう私自身も、かつてはほとんど気にしませんでした。むしろ、インフレ率の高い国は金利も高いので買われやすい、そういう時期もありました。

 では、インフレ率とは何か? 物価の上昇率です。

 でも、通貨側から見ると、インフレ率とは、その通貨が毎年失う購買力のことです。

インフレ率の高い国の通貨は、毎年、インフレ率の分だけ価値を失っているのです。

■トルコの本当の金利は、マイナス3.55%!?

 たとえば、高金利で有名なトルコリラ。このところ利下げを繰り返してきたので、トルコの現在の政策金利は8.25%です。下がったとはいえ、結構、まだ高く見えます。

トルコ政策金利の推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移

 しかし、消費者物価指数は前年比で11.8%。

トルコ消費者物価指数(前年比)の推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:その他地域主要経済指標の推移

 つまり、本当の金利(実質金利)は、マイナス3.55%です。

一見、高金利でも、実は大幅にマイナス金利。これでは、この通貨は買えません

 新興国は、インフレ率が高い国が多い。通貨を売買する際は、本当の金利(実質金利)を計算することが大事になってきます。

■米国のインフレ率は2%弱。今は米ドル売りが正解か

 では、先進国ではどうでしょうか?

インフレ率の高い通貨は、売られるというのがセオリーです。そうなると、やはり米ドル、もしくは、オセアニア通貨が売られやすいという結論になります。

 米国は、かつてのようにインフレ率が高くはないですが、それでも景気とともに徐々に回復し、2%弱はあります。年間、購買力が2%減少するわけですから、ゼロ金利の今は米ドル売りが正解と思います。

今年(2020年)は、米ドル売り・ユーロ買いのトレンドですが、米インフレ率の高さが影響していると言っても良いかもしれません。

■動かない米ドル/円。低インフレの円は実質的に弱体化

 また、インフレ率が常に低位で安定している円は、いつ強くなっても仕方がないと言えます。

 ところが、米ドル/円は、このところ常に105~107円ぐらいで一向に動きません。

 為替が安定していて良いのかもしれませんが、低インフレの日本円がインフレ率の高い米ドルに対して動かないというのは、実質的に、円はずっと弱くなってきたということです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

■見えない円安は、いつか円高で調整されるかも

 このまま見えない円安が続くのか、それとも大規模な調整があるのか。

調整には2つの方法があります。ひとつは、円高になること。もうひとつは、日本が米国以上にインフレの高い国になることです。

 しかし、長年、日本経済を見ていて、米国以上にインフレになるということは極めて難しいと思います。

 特に、収入が年金という固定収入しかない高齢者は物価上昇を嫌います。少しでも値段を上げるとパタッと売れなくなります。こういう社会では、企業が値段を上げようとしても難しいでしょう。

 そうなると、いつかは円高で調整される…かもしれません

【参考記事】
円高示唆でも米ドル/円が下落しないワケは? ビッグマック指数では1ドル=68.78円になる!?(6月17日、志摩力男)

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView

■日本は、ただ貧乏になって行っただけ

実は、もうひとつのパターンもありえます。これまでの継続です。

 日米のインフレ率は変わらず、日本が常に低いが、米ドル/円は動かないというパターンです。

 これは輸出企業には良いのでしょうが、米国はどんどん成長し、日本は、ただただ貧乏になるという道です。

 為替の安定というと聞こえはいいですが、日本は、ただ貧乏になって行っただけです。

どこかで円高を受け入れるか、もしくは、反動で極めて厳しいインフレが来るのか、覚悟を決める瞬間が近づいているのかもしれません。


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