連休明けの米国市場はたいへん注目が集まった。それは先週の後半に米国株が大幅安を演じ、これが臨時にわかなものなのか、それとも今年後半に向けてのトレンドになりうるくらいの強力な流れなのかを見極めたいからであった。
米国市場では今でもリスクに対してブルのままである。株価などのリスク資産は押し目があれば、そこは是非とも買いたいといったムードが蔓延している。したがって株価が多少の調整局面でもウエルカムな状況が続いているのだ。
為替相場ではリスクに敏感なクロス円の軟化が顕著になった。欧州時間からすでにユーロ円は売られがちで、ニューヨーク時間になっても値を戻すことはなかった。私はドル円を売ってみたりしていたのだが、ドル円ショートはあまり上手くワークしなかった。
アメリカの株価が史上最高値を更新し続け、代表的な株価指数であるS&P指数が先週には3600ポイント近くまで吹き上がったが、これはPERで見ると28倍レベルである。15倍が歴史的な平均値であり、それより上だと買われすぎ、それより下だと売られすぎだとされる水準である。
8月初旬には22倍まで達したときにひどいものだと私などは思ったが、それも難なくクリアしてここまで来ている。もちろん今後の企業収益が劇的な改善を示すと言うことが前提になっているが、周辺を見回すと果たしてコロナ前よりも企業活動は活発化するのだろうか。
電車は再び混雑を極めるとは思われないし、食堂で3密を気にしない日が到来するとも思えない。少なくとも来年のオリンピックもフルスペックで開けるとも考えられない。近い将来の姿すら見えないというのが現状だ。
そうした恐れとか高値警戒感が、今回の株価のクラッシュをもたらしているのだろう。大統領選挙をひかえてマーケットはますますセンシティブになってきている。ユーロ円も120円台が割り込んできても不思議ではなくなる展開が待っているのかもしれない。
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